"離婚11日後、私に9億8000万円が当たった" 第12話
自分のペースで、本当に向との活を切にできる仕事を探せばいい。
そう決めただけで、肩の荷がふっと軽くなるのをじた。
窓をけると、よいが部のを通り抜けていった。
その、机のに置いていたスマートフォンが震えた。
画面を見ると「母」という文字が表示されていた。
私がをてから、母から直接話がかかってきたのは初めてだった。
実のので私を追い返したの、あのたい顔が脳裏をよぎる。
なぜ今になって話をしてきたのか。
達也から何か言われたのか、それとも別の理由があるのか。
以の私なら恐る恐る話にて、また方に責められていたかもしれない。
しかし、今の私には帰るがあり、自分を守るための識と資がある。
私はく呼吸をした。
スマートフォンの画面に点滅する「母」の文字を見つめた。
私は迷うことなく通話ボタンを押し、に当てた。
「もしもし」
挨拶もなく、母の鋭い声が鼓膜を打った。
「みか、あなたいつまで修平に迷惑をかけるつもりなの?」
私は静に答えた。
「迷惑なんてかけていないわ」
母の声は苛っていた。
「親父が残したあの、使っているんでしょう。修平から聞いたわよ」
どうやら修平は、私が無事であることを伝えるために、のことだけは話したらしい。
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母はさらに問い詰めてきた。
「を使うのはいいとして、活費はどうしているの?修平から借りているんでしょう」
私は否定した。
「借りてない。自分のことは自分でやっているわ」
母は決めつけるような調で言った。
「がるのはやめなさい。パートも決まっていないのに、どうやって活しているのよ」
私は瞬だけ反論をみ込んだ。
弟が言っていた通り、母におのことをられれば厄介なことになるのは目に見えている。
しかしここで嘘をつき続ければ、今度は弟に「姉にを貸している」という理尽な疑いが向かう。
私は自分ので、真実を話す準備ができているかを確認した。
もうので泣いていた私ではないのだ。
私ははっきりと告げた。
「私、自分のおで活しているのよ」
母はで笑った。
「そんな貯、あなたにあるわけないでしょう」
私は窓の、暗くなり始めた空を見つめた。
「宝くじが当たったの」
話の向こうで、母がピタリと黙った。
数秒の沈黙の、乾いた笑い声が聞こえてきた。
「何バカなこと言ってるの?そんな嘘をついてまで、私に配かけたいの」
私は淡々と答えた。
「嘘じゃないわ。約9億8000万円」
私が正確な数字をにすると、今度は本当に話の音が消えた。
あまりに現実れした数字に、母の考が追いついていないのが分かった。
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い、い沈黙が流れた。
やがて、母の息遣いが荒くなるのが聞こえた。
「本当に……?」
私はうなずいた。
「うん。続きも終わって私の座に入っている」
母は気に言葉をめた。
「修平には……修平にはもう話したの?」
番に弟の配をするのが、いかにも古い価値観を持つ母らしかった。
私は静かに目を閉じて答えた。
「話したわ」
母は焦ったように聞いた。
「あの子、何て言っていたの?」
私は事実を伝えた。
「何も。私の活の配をしてくれただけよ」
母の声が裏返った。
「そんなわけないでしょう!」
母は声を張りげた。
「それだけのがあるなら、族で考えないとだめでしょう。族のおなんだから」
その瞬、私の周りの世界が気にえ切ったようにじた。
13私を縛り続けてきた、あの呪いの言葉。
元夫の達也が私のパート代を計算するに言った言葉。
向の教育資を勝に使ったに、悪びれずに言った言葉。
それが今、実の母親のから全く同じように発せられたのだ。
私はく、しかしはっきりとした声で言った。
「お母さんまで同じことを言うんだね」
母は息を呑んだ。
「誰と同じだって言うのよ」
私はたく答えた。
「達也とよ」
母は慌てて否定しようとした。
「達也が向の貯を勝に使った、彼は『族のだろ』って言った」
私はさらに続けた。
「私の稼いだおも、『計に入れるのが普通だろ』って」
母が遮ろうとした。
「それとこれとは話が違うでしょう!」
私は母の言葉を遮った。
「あなたのおはのもの。
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