みかん小説
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"偽りの血液型" 第11話

だから、さやかさんが父さんに頼み込んでくれれば、父さんのりが解けて、自分と兄貴を再び敷に呼び戻してくれるんじゃないかって……本気でそうっていたんだよ」

どこまでも勝で、自分の保しか考えていない考回。りを通り越して、寒気すら覚えた。 私はふと、ずっと気になっていた疑問を慎司にぶつけた。

「……慎司さん。あなたは、子供の頃からお母さんの倫をっていたのね?」

慎司の表が、凍りついたように張った。 彼は痛ましそうに目を伏せ、震える声で告した。

「……学のだった。あの英国講師は、僕と兄貴の英語の庭教師をしていたんだ。あるの午、庭のれにある物置のドアがいていて……覗き込んだら、母とその男が、事の真っ最だったのを見てしまったんだ」

苗が慎司を病なまでに嫌い、ざけようとしていた本当の理由。 それは、自らの最もおぞましい秘密を、その瞳に焼き付けられていたからだったのだ。 母の秘密を抱え、父に言えば庭が崩壊すると怯え、誰にも言えずに孤独に耐え続けてきたの苦悩。 慎司は々とをげた。

「さやかさん……本当に、すまなかった。僕がもっとく勇気をして父さんに話していれば、君と凛ちゃんがこんな辛い目に遭うことはなかったのに……」

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「慎司さん、もうやめてください」

私はテーブル越しにを伸ばし、彼の言葉を遮った。

「私ね、結婚そのものを悔してはいないの。だって、勇吾さんと結婚しなかったら、凛はこの世にまれてこなかったんですもの。それに……慎司さんはこの、ずっと私と凛を支えてくれたじゃない。……勇吾さんの弟としての責任からだったとしても、本当に謝しているの」

「責任なんかじゃない!」

慎司がい調で私の言葉を遮った。 彼のがテーブルのを滑り、私のたい指先を包み込んだ。 の付きいので、慎司が私に触れたのは、これが初めてだった。

「責任なんかじゃないんだ、さやかさん。僕は……ただ、君のそばにいたかったんだ」

彼のきな掌から伝わってくる、い体温。 その温もりに触れた瞬、私ので何かが解け落ちていくのをじていた。

しかし、平穏へのは、まだ完全にかれてはいなかった。 その数、私の働くフラワーショップの固定話に、苗からの脅迫めいた話が入ったのだ。 『凛の祖母である私を助けなさい! 断るなら、また凛の学へ押しかけて騒ぎしてやるわよ!』 私は毅然として『度と連絡してこないでください』と話を叩き切った。 だが、追い詰められたの凶は、私の像を遥かに超えていた。

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話からの夕暮れ。 私のスマートフォンに、警察署から臓を凍りつかせる本の話が入ったのだ。 『尾さんのお母様ですか!? 娘の凛さんが、部活の帰りに見らぬ男にで連れられそうになりました!』

警察署の活全課へ駆け込むと、パイプ子に座った凛が、女性警察官に背を撫でられながらさく震えていた。

「凛……ッ!」

「お母さん……!」

私を見るなり、凛はちがり、私の胸のへとび込んできた。 私は娘の華奢な体を力任せに抱きしめ、涙を流した。 警察の説によれば、途の裏で軽自に乗った男に無理やり腕を掴まれ、内へと引きずり込まれそうになったところを、たまたま通りかかった所の民が叫び声をげて割って入り、男はで逃したのだという。 髪のところで、連れりは未遂に終わっていた。

らせを受けて駆けつけてくれた慎司と共に事聴取を終えた、警察の担当刑事がスマートフォンを操作しながら言った。

「犯の瞬を目撃した通の方が、とっさにスマートフォンで画を撮していましてね。それが今、SNSで物凄い勢いで拡散されているんですよ」

画面を見せてもらうと、凛を無理やりに押し込もうとする男の横顔と、のナンバープレートが鮮に映しされていた。

再回数はすでに百万回を超えている。 警察署をて、慎司ので自宅へと向かう途。 をめた慎司が、スマートフォンの画面を凛のに差しした。

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