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"偽りの血液型" 第12話

「凛ちゃん……君を連れろうとしたのは、この男かい?」

画面に映っていたのは、かつての夫・本勇吾の顔写真だった。 凛は目を見張り、即座に叫んだ。

「この! このだよ! 違いない……! おじさん、このをってるの?」

凛は度も父親の顔を見たことがない。私が婚した際、すべての写真を処分していたからだ。 慎司はハンドルので両拳を固く握りしめ、徹な声で言った。

「……もう、兄貴を野放しにはしておけない。僕で、ケリをつけてくる」

「待って、慎司さん。私もくわ」

私は凛を実の両親に預けると、慎司のの助席へと乗り込んだ。 娘の未来を脅かす元凶を、こので完全に断ち切らなければならない。

は、の寂れた宅にある、築の造モルタルアパートのに滑り込んだ。 暗い階段をり、201号のドアを慎司が激しくノックする。 チェーンがされ、恐る恐る顔をしたのは、無精髭をやし、酒の匂いを漂わせた勇吾だった。 慎司がドアを押しけて踏み込むと、畳の狭い部の奥には、万のに座り込んだ苗の姿があった。 慎司が画を突きつけて問い詰めると、勇吾は悪びれる様子もなく、ヘラヘラと笑いながらき直った。

「何だよ騒ぎして! 凛は俺の実の娘なんだろ!? 父親が娘に会いにって、何が悪いんだよ!」

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「会いにったんじゃない! に無理やり連れ込もうとしたのは、未成者略取誘拐という派な犯罪だ!」

慎司のに、勇吾は忌々しそうに舌打ちをした。

「俺のにもなってくれよ! この歳になって親父の本当の息子じゃないとらされて、を叩きされてめちゃくちゃなんだよ! ……なあ、さやか」

勇吾はすり寄るように私へと歩み寄ってきた。

「元を正せば、俺たちが婚したのはおの倫が原因だったはずだろ? でも、それが違いだったと分かったんだ。……俺たち、よりを戻そう! 凛のためにも、それが番いいはずだ!」

「いいわね、それ!」

万から苗がび起き、を叩いた。

「あなたが復縁してくれれば、あのお父さんもを張るのをやめて、私たちを敷に戻してくれるわ! 団円じゃないの! ドラマの最終回みたいで素敵だわ!」

ケラケラと笑いう母と息子の姿に、私のので何かが音をてて切れそうになった。 だが、それよりもく、慎司の号が狭い部を揺るがした。

「ふざけるなッ! 警察が今、兄貴を探しているのをらないのか!?」

「……は?」

慎司がスマートフォンを突きつける。 画面には、例の連れり未遂の画と、警察が公捜査に踏み切ったニュースが踊っていた。 勇吾の顔から、気に血の気が引いていく。

「げ……マ、マジかよ……!?」

「凛ちゃんの親権はさやかさんにあるんだ。

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君がやったことは派な現犯逮捕案件だ! 凛ちゃんも警察で正式に被害届をした。パトカーがここへ来るのも、の問題だ!」

慎司の言葉に、勇吾はガタガタと震え始め、無様にへと膝をついて座した。

「さやか……頼む! 被害届を取りげてくれ! じゃないと俺、会社をクビになっちまうんだよ!」

「さやかさん、どうして分かってくれないの!?」

苗がヒステリックに叫ぶ。

「私たちはただ、昔みたいに族みんなで仲良く暮らしたいだけなのよ!」

「……母さんにとって、族って何なんだよ」

慎司のえ切った声が、苗の言葉を遮った。 慎司はビジネスバッグから通の茶封筒を取りし、そのをアパートのさなテーブルのに叩きつけた。

「族ごっこは、もう終わりだ。……これを見ろ」

テーブルのに散らばったのは、鮮なカラー写真の数々だった。 そこには、髪交じりの初老の国男性と、腕を組んでラブホテルのエントランスへと入っていく苗の姿が、克に写しされていた。

「これ……昔の写真じゃないぞ。……先、興信所に撮らせたものだ」

慎司の徹な声に、苗の顔が凍りついた。

「母さん、あの英国講師との倫関係を、以経った今でも続けていたんだよ。父さんから貰っていた贅沢な活費から、何千万円というをこの男に貢ぎ続けていたんだ。

とパトロンの関係だよ」

「な……何を言ってるのよッ!」

苗は狂乱して写真を掴み、ビリビリに破り捨てた。

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