みかん小説
本棚

"底辺受付嬢を見下す役員たちの誤算" 第20話

しだけドアをけると、廊のかりが元を照らした。

ハルトがドアのにった。

ファイルを持っている。

彼は私を見て、い声で言った。

「渡辺ゆりの報告の内容が分かった」

彼は結果を告げた。

「斎藤のダミー会社の資が、ある信託基と交差している」

「その信託の受益者は斎藤の息子だ」

私は息をんだ。

斎藤の息子の名。

あやの送記録にあった名と同じだ。

あの毎100万円の送は、息子の会社からていた。

信託の受益者も息子なら、斎藤の資の全容は全て息子の名義に集約されていることになる。

斎藤は全てを息子の名義にすることで、自分は完全にクリーンだと信じ込んでいる。

しかしそれが、最も致命な点になるのだ。

私はハルトからファイルを受け取った。

数ページめくる。

信託の登記報、受益者の座履歴、全てがはっきりと記されている。

斎藤の資の全体像が、今完全に私のにさらけされた。

「このファイル、どこでに入れたの?」

ハルトの目に複雑ながった。

「渡辺ゆりが辞める、僕の個のメールアドレスに送ってきたんだ」

彼は彼女の言葉を伝えた。

「彼女は言っていた。いつか私が斎藤と決裂した、これが私を守るお守りになると」

渡辺ゆりはとっくに自分の逃げを用していたのだ。

広告

斎藤に報告を提して忠誠を誓う方で、ハルトにも保険を残していた。

恐ろしいほど狡猾な女だが、彼女が残したこのファイルこそ、今私にとって最も必なものだった。

私はファイルを閉じた。

ハルトを見つめる。

「末の役員会で、斎藤は違いなくルートのデータを使って攻撃してくる」

私は予測をにした。

「彼はあのプレゼン資料をに入れて、全てを掌握した気でいるわ。でも彼はらない」

「あのデータに私が仕掛けた罠を。自分が掘った穴に自分で落ちることになるわ」

ハルトは頷いた。

「庫の件は僕に任せてくれ」

彼は請け負った。

「エンジニアに連絡してのメモ帳を調べさせる。暗証番号が分かれば役員会の当に帳簿をに入れられる」

私は彼を見つめた。

複雑なが湧きがってきた。

ロビーで私のにくお辞儀をしたこの男が、今では最も頼りになる方となっている。

同じ敵にち向かい、同じ目標に向かって歩調をわせている。

窓の、夜はさらにまった。

灯のがガラスにぼんやりとを落としている。

末の役員会まであと9。

10、私は全員ので彼がみ込んだものを全て吐きさせてやります。

「ハルト」

私はをいた。

「斎藤は今の午、伊藤に探りを入れてきた」

彼は瞬驚いた顔をした。

広告

「伊藤健に会っていたのか。どうして?」

私は説した。

「伊藤に役員会のポストを餌にしたのよ」

「伊藤が自分に投票するとい込んでいる。でも彼は伊藤が私の方だと気づいていない」

「必に票を集めれば集めるほど、当の絶望はきくなるわ」

ハルトはしばらく沈黙した。

こう言った。

「斎藤はきく網を広げているが、1つ忘れていることがある」

彼はたく言った。

「彼は欲すぎる。全てをに入れようとして結局全てを失うんだ」

私は微笑んだ。

「なら、もっと欲張らせてあげましょう」

「彼が欲張れば欲張るほど、網を引きげるにかかる獲物はきくなるわ」

ハルトは私を見た。

微かに笑い返した。

彼はを伸ばし、ファイルを私に渡した。

「なら、このファイルは君が持っていてくれ」

彼は言った。

「役員会の、斎藤にいらせてやろう」

私はファイルを受け取った。

のたさが指先に伝わる。

窓の、陣のが吹き抜けた。

プラタナスの黄い葉が音をてて散っていった。

末の役員会まであと9。

カウントダウンは、張り詰めた糸のように1ごとにピンと張っていく。

私は昼、何事もなかったかのように会社に現れた。

ガラス張りの副社で、各部署からがってくる類に目を通す。

余裕のある態度を崩さない。

しかし、類をめくるたびに、私は斎藤の資の最の結び目を探していた。

父の帳簿にあった送記録はケイマンのダミー会社を指している。

そして渡辺ゆりの報告は、そのダミー会社と斎藤の息子の信託基を結びつけた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: