みかん小説
本棚

"深夜2時、隣家の物置で赤ん坊を抱く4歳児" 第16話

俺は、首を振った。

「そんなことない」

ひなは、泣き叫んだ。

「ひながここにいちゃ、ダメなんでしょう。ひながいなくなれば、メイもパパもママも幸せになれるんでしょ」

そう言うと、ひなは急にちがって玄関に向かってりした。

俺は、慌ててを追った。

「ひな、待て」

俺は、必でを伸ばしたが、ひなは素かった。

ひなは、玄関の扉にをかけ、けようとしていた。

俺は、ひなの体を背から抱きしめた。

「して。ひな、どこかくにくでしょ」

ひなは、俺の腕ので暴れた。

その、リビングからメイのきな泣き声が響いてきた。

りんが抱いているメイが、必にを伸ばしてひなを呼んでいたのだ。

「あー、あー、うー」

メイのその声は、まるで「お姉ちゃん」と言っているようだった。

その声を聞いて、ひなのきがピタリと止まった。

ひなは、リビングの方を振り返った。

「メイ」

メイは、粒の涙を流して泣き続けていた。

さなを伸ばして、必にひなを求めている。

ひなは、力が抜けたようにそのにへたり込んだ。

「メイが、メイが泣いてるでしょ」

俺は、ひなのにしゃがみ込み、その肩を掴んだ。

「ひな、メイは君がいなくなったらもっとしむよ。りんも俺も、君がいなくなったらきていけない」

ひなは、涙でぐしゃぐしゃの顔をげた。

「でも、ひなは悪い子でしょ?」

広告

俺は、い調で否定した。

「違う。君は悪くない。悪いのは、君を傷つけたたちだ」

ひなの目から、さらに粒の涙がこぼれ落ちた。

ひなは、震える声で尋ねた。

「本当に、ひな、ここにいてもいいんですか?」

俺は、ひなの目を真っ直ぐに見つめた。

「いてほしい。君がいないと、このは族じゃなくなる」

りんも、メイを抱いたまま膝をつき、ひなにを伸ばした。

「ひなちゃん、緒にいよう。ずっとずっと、緒にいよう」

ひなは、ゆっくりとちがり、俺たちの腕のにび込んできた。

そして、声をげて泣きじゃくった。

俺は、ひなの背を撫で続けた。

「怖かったでしょ?ひな。1になるの、怖かったでしょ?」

ひなは、ただ泣きながら頷いた。

俺は、力く言った。

「もう1じゃない。絶対に1にしない」

メイも、りんの腕ので泣きながらひなにを伸ばしていた。

俺たち4は、玄関ので抱きってただ泣いた。

割れた瓶のことなんて、もう誰も気にしていなかった。

切なのは、この族が今、緒にいることだった。

その夜、ひなはずっと俺とりんのに挟まれて眠った。

メイも、同じ布団のでひなのをしっかりと握りしめていた。

翌の朝、ひなは静かに目を覚ました。

ひなは、俺の顔を見てさな声で言った。

「パパ、昨はごめんなさい」

俺は、微笑んで首を振った。

「謝ることなんてないよ」

広告

ひなは、しばらく黙って布団の柄を見つめていた。

でも、やがてさな声でぽつりぽつりと話し始めた。

「のおでね、ひなが何かするとママがったんでしょ」

俺は、黙ってを傾けた。

「ひなちゃん」

ひなは、過の記憶を辿るように続けた。

「ひながお皿を落としたら、ママはメイを叩いたでしょ。ひなが泣いたら、メイが叩かれたでしょ」

ひなの声が、微かに震え始めた。

「ひなが何もしなくても、メイが叩かれるもあったでしょ」

俺の拳が、りで震えた。

でも、今はそのりを抑え、ひなの言葉を最まで聞かなければならない。

ひなは、苦しそうに息を吐いた。

「だから、ひないつもしてたでしょ。お腹が空いても、寒くても、怖くても、泣かないようにしてたでしょ」

ひなは、涙ぐみながら言った。

「そしたら、メイが叩かれないってったから」

隣で聞いていたりんの目から、涙が溢れていた。

ひなは、俯いて続けた。

「でも、ひながしても、ママはメイを叩いたでしょ。だから、ひなが悪いんでしょ」

ひなは、自分を責めるように言った。

「ひながもっといい子だったら、メイは痛いいしなくて済んだんでしょ」

俺は、たまらずひなをきつく抱きしめた。

「ひな、君は何も悪くない」

ひなは、俺の胸ので泣きじゃくった。

「でも」

俺は、ひなの言葉を遮った。

「でもじゃない。君は、精杯メイを守ってきた。

君はすごくい子だ」

俺は、ひなの背をさすった。

「そして、もう1で戦わなくていい」

りんも、横からひなのを握った。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: