みかん小説
本棚

"深夜2時、隣家の物置で赤ん坊を抱く4歳児" 第18話

りんの目が、を反射して潤んでいた。

俺は、呼吸をした。

「俺たちは最初、里親として申請するために婚約したことにしました」

俺は、りんの目を真っ直ぐに見つめた。

「でも、今の俺の気持ちは形だけのものじゃないんです」

俺は、ズボンのポケットからさな箱を取りした。

かりに照らされたその箱を、ゆっくりとける。

には、シンプルなデザインの指輪が輝いていた。

俺は、はっきりと言った。

「瀬川りんさん、俺と結婚してください」

りんは、息を呑んだ。

「本当の夫婦として、本当の族として、これからもずっと緒にいて欲しいんです」

りんは、両で自分のを覆った。

涙が、りんの頬を伝って落ちていった。

りんは、震える声で答えた。

「蒼太さん、私も同じ気持ちでした」

りんは、泣き笑いの表になった。

「最初は子供たちのためだとっていたけど、いつのにか蒼太さんのことをからしていました」

りんは、俺のを握り返した。

「私、蒼太さんと族になれて本当に幸せです。だから、はい。んで結婚します」

俺は、箱から指輪を取りし、りんのの薬指にはめた。

そして、りんをく抱きしめた。

波の音と空ので、2はただ抱きっていた。

りんは、俺の背にを回した。

「ありがとう、蒼太さん。私を選んでくれて」

俺は、りんの髪を撫でた。

「こっちこそ。

広告

君がいてくれて、本当に良かった」

その、背からさな声がした。

「パパ、ママ」

俺たちが驚いて振り返ると、ひながパジャマ姿で玄関から顔をしていた。

俺は、慌ててれた。

「ひな、起きてたのか?」

ひなは、目をこすりながら歩いてきた。

「トイレにこうとったら、パパとママがいなくて」

ひなは俺たちに駆け寄り、そして俺たちの繋いだをじっと見た。

ひなは、りんの指にある指輪に気づいた。

「ママ、その指輪?」

りんは、顔を赤くして微笑んだ。

「そうよ。パパがママにプロポーズしてくれたの」

ひなは、首を傾げた。

「プロポーズ?」

俺は、しゃがんでひなに説した。

「パパとママが、本当の夫婦になるってことだよ」

ひなの顔が、パッとるくなった。

「本当でしょうか?パパとママ、結婚するんですか?」

りんは、ひなのを撫でた。

「ええ。ひなちゃんとメイちゃんがいる、本当の族になるのよ」

ひなは、両を挙げてんだ。

「やった。やったでしょ」

ひなは、嬉しそうにそのでピョンピョンとびねた。

そして、の方へ向き直った。

「メイに教えてくるでしょ」

そう言って、ひなはのへ勢いよく駆け戻っていった。

俺とりんは、その背を見送って顔を見わせ、声をして笑った。

数週、俺たちはくの教会でさな式を挙げた。

ひなはらしいドレスを着て、メイはりに抱かれていた。

広告

両親も参列し、みんなで記の写真を撮った。

ひなが、束を持って言った。

「パパとママ、おめでとうでしょ」

俺は、ひなから束を受け取った。

「ありがとう、ひなちゃん。メイちゃん、これからもずっと緒だからね」

ひなは、元気に頷いた。

「うん。ずっとずっと緒でしょ」

式ので、4で固く抱きった。

相馬蒼太、瀬川りん、ひな、メイ。

俺たちのに、血の繋がりはないかもしれない。

でも、この4は紛れもなく本物の族だ。

それから、さらに3のが流れた。

緑荘は、「子連れに優しい民宿」としてリニューアルし、くの族にされる所になっていた。

玄関には、「お子様歓迎」とかれた作りの板が掲げられている。

館内に設けたキッズスペースには、絵本やおもちゃが綺麗に並べられていた。

堂には子供用の器やハイチェアも完備されている。

これらは全て、ひなとメイと暮らすで、自然と増えていったアイデアだった。

玄関のドアがき、お客さんが入ってきた。

「いらっしゃいませ」

元気な声で挨拶をしたのは、8歳になったひなだ。

ひなは、学2になっていた。

今では、「でしょ」という独特な話し方もすっかりなくなり、元気いっぱいの女の子に成している。

お客さんの女性が、ひなを見て微笑んだ。

「わあ、い板娘さんね」

ひなは、嬉しそうにお辞儀をした。

「ありがとうございます。お子さん、おいくつですか?」

女性は、隣にいる男の子の肩を抱いた。

「5歳よ」

ひなは、男の子に目線をわせた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: