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"夜勤の救急外来に運ばれた夫と義姉" 第2話

代未聞の状況だが、目のの命を救うのが私たちの仕事だ。

どんな状態であれ、患者は患者なのだ。

私はそう自分に言い聞かせながら、無でをかし続けた。

やがて、くからサイレンの音がづいてくる。

その音はどんどんきくなり、病院の目ので止まった。

自ドアがき、救急隊員たちの号と共に、2台のストレッチャーが猛スピードで運び込まれてくる。

先の隊員が声で叫んだ。

「患者さん入ります。をけて!」

1台目のストレッチャーには、ぐったりとした男性が乗せられている。

顔は青く、苦痛に歪んでいるように見えた。

そして彼の体のには、シーツで覆われたもう1の、女性が覆いかぶさるような異様な体勢で乗せられている。

鈴先がストレッチャーを覗き込み、眉をひそめた。

「ひどいな。体どうなってるんだ?」

私も、その異様な景から目がせなかった。

体どんな状況で事故に遭えば、こんなことになるのだろうか。

救急隊員が、乱暴にシーツをめくりげる。

「先、女性の識がありません」

その瞬、私のは完全に止まった。

シーツのから現れた顔。

それは、見違えるはずもなかった。

苦悶の表を浮かべ、血の気を失っている男は、私の夫、拓也。

そして、その彼に絡みつくようになり、ぐったりと識を失っている女は。

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拓也の姉であり、私の義姉である、麗子だった。

2は、最も恥ずべき姿で、固く分かち難く結びついていた。

周りの護師たちが、斉に息を呑むのが分かった。

「ええ、嘘」

誰かの震える声が響く。

「佐藤さんの旦さんと……」

ひそひそと交わされる声が、スローモーションのように聞こえる。

誰もが、私の顔を窺っていた。

しむだろうか、泣き叫ぶだろうか、それともりに震えるだろうか。

同と好奇の入り混じった線が、斉に私に突き刺さる。

私はゆっくりと、ストレッチャーにづいた。

で見る2の姿は、滑稽で、惨めで、そして最に傑作だった。

ああ、神様、こんな形での裏切りをることになるなんて。

いや、違う。

私はずっとからっていた。

気づかないふりをしていただけだ。

私の胸の奥から込みげてくるのは、しみではなかった。

りでもなかった。

ただただ、どうしようもないほどの歓だった。

私は、元に微かな笑みを浮かべた。

そして、凍りついた空気を切り裂くように、はっきりとこう言ったのだ。

「あら、拓也さんと麗子さんじゃないですか」

私のの奥底で、もう1の私が腹を抱えて笑い転げながら叫んでいた。

ざまあみろ、と。

これが獄の始まり。

いいえ。

私にとっては、最のショーの始まりだった。

私の名は、佐藤み咲。

38歳。

この総病院で護師として働き、15になる。

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輩たちからは静沈着な指導者、医師たちからは信頼できるパートナーと評価されていると、自分ではっている。

なくとも、仕事に関しては常にプロフェッショナルでありたいと願ってきた。

私活では、6に結婚した夫がいる。

拓也は堅企業の営業マンで、結婚当初は私の仕事に理解を示してくれる優しいだった。

夜勤で規則な活を送る私を気遣ってくれていた。

疲れて帰宅すると、彼が料理を作って待っていてくれることもあった。

ささやかだけれど、温かい幸せがそこにはあった。

しかし、その幸せはくは続かなかった。

結婚して1が過ぎた頃から、拓也の態度はしずつ変わり始めた。

きっかけは、彼が営業成績トップの常連になり、社内で昇したことだった。

自信が過信に変わり、やがて傲さになった。

ある晩、彼はリビングのソファにふんぞり返りながら、私に向かって言い放った。

「なあ、み咲、おの仕事ってさ、結局は医者の伝いだろう」

彼はで笑い、グラスの酒を煽った。

「誰にでもできる仕事だよな。夜勤ばっかりでのこともろくにできないのか」

私は言い返そうとしたが、彼はで制した。

「俺はで稼いでるって言うのに。おのその料、俺のボーナスの何分の1だよ」

彼のたい線が、私を射抜く。

「そんなはしたのために夫をないがしろにするなんて、本末転倒じゃないか」

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