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"夜勤の救急外来に運ばれた夫と義姉" 第6話

拓也が、のスマホを凝したまま呻き声をげた。

「くそ……母さんからだ……」

その顔は、痛みや羞恥よりも、これから起こるであろう面倒な事態への焦りでいっぱいになっている。

この状況で、母親にだけはられたくない。

そんな本音が透けて見えた。

鈴先がを叩いて指示を急がせる。

「鈴先、オペへ!急げ!」

スタッフたちがストレッチャーをかし始めた、その。

拓也が、最の抵抗とばかりにをよじって叫んだ。

「待ってくれ!頼む!誰か俺の母に連絡してくれ!」

彼は必の形相で、周囲のスタッフを見回す。

「交通事故に遭ったとだけ……頼む!」

その必の形相は、滑稽ですらあった。

私はストレッチャーの横を歩きながら、たく言い放つ。

「連絡の必はありません。治療が最優先です」

私は彼を見ろして、無表に続けた。

「それに、ご族には術が無事に終わってから、担当医が正式に状況を説します」

拓也は顔を歪ませて吠える。

「ふざけるな!おに何が分かる!」

だが、その声はもはや誰にも届かない。

ストレッチャーは無にも処置のドアを通過し、術へと続くい廊をんでいく。

そのだった。

廊の向こう側から、けたたましい音が聞こえてきた。

「拓也!麗子!どこなの!」

ヒステリックな叫び声と共に、救急来の受付を無理やり突破してきたのだろう。

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見慣れた姿が、目にび込んできた。

柄の派なチュニックに、級ブランドのバッグ。

焦りとりで化粧の崩れたその顔は、紛れもなく私の義母、里子だった。

嵐さんが驚きの声をげる。

「義母さん……」

なぜ、こんなにく。

虫のらせでもあったというのだろうか。

いや、おそらく何度話してもない息子と娘を配し、拓也ののGPSでも確認したのだろう。

あの母親なら、やりかねない。

里子は廊の真んでストレッチャーを押している私たちを見つけると、直線に駆け寄ってきた。

そして、その目は患者である息子や娘ではなく、まっすぐに私を捉えていた。

彼女は私を指差して、切り声をげた。

「み咲さん!あなた、こんなところで何を持っ突っっているの!」

番向けられたのは、理尽なりだった。

里子はまだ、ストレッチャーのの惨状には気づいていない。

ただ、自分の息子と娘が事故に遭い、そのに呑気な嫁がいるとでも認識したのだろう。

彼女は目を角にして、私に詰め寄る。

「拓也と麗子が事故に遭ったって、どういうことなの!あなたがついていながら……」

里子はを鳴らして、吐き捨てるように言った。

「いや、違うわね。どうせあなたは夜勤だとか言って、のことを疎かにしていたんでしょう!」

いつものヒステリーが始まった。

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周りの目も、も、状況も、このには関係ない。

ただ自分のを爆発させることしかにないのだ。

彼女は私の肩を突くようにして、声を張りげる。

「あなたがちゃんと妻としての役目を果たして、にいてあげていれば、夜かけることなんてなかったのよ!」

里子は両を振り回し、りをわにする。

「そしたら、事故に遭うこともなかった!全部あなたのせいじゃない!」

り注ぐ線。

医師も、護師も、の患者さえもいるこの公ので、義母は私を声で罵倒し続ける。

鈴先が毅然とした態度で、2のに割って入った。

「奥さん、お気持ちは分かりますが、ここは病院です」

鈴先はで制止する。

「それに今は、刻を争う状況なんです」

里子は鈴先を睨みつけ、噛み付いた。

「うるさい!部者は黙ってなさい!これはうちの族の問題よ!」

その狂乱ぶりに、誰もが言葉を失った。

里子は鈴先を押し除け、ようやくストレッチャーに駆け寄った。

「拓也!麗子!しっかりして!」

そして、鈴先が静止するのも聞かず。

ぐったりとしている麗子に掛けられていたシーツを、勢いよくめくった。

「えっ……」

次の瞬、里子のきが完全に止まった。

彼女の目は、信じられないものを見るようにきく見かれている。

そして、その線は、無惨に絡みったままの息子と娘の姿に釘付けになっていた。

救急来の廊の空気が、完全に凍りつく。

の流れが止まった。

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