"夜勤の救急外来に運ばれた夫と義姉" 第17話
「あなた、何を言っているの?」
里子が呆然と私を見げる。
「見たくないでしょう?自分の息子と娘が、あんな……あんな姿でいるところなんて」
私は涙ながらに訴える。
「それに、もしお義母さんがショックで倒れたりしたら……私はもう、誰も失いたくないんです!」
健気な嫁。
夫に裏切られながらも、義母のまで気遣う優しい妻。
私は完璧にその役を演じ切っていた。
私のこの優しさが、里子のを完全に破壊した。
「ああ……あああっ……」
彼女はついに、そので泣き崩れた。
私の言葉が、彼女ので「2はまだ結している」という恐怖を、揺るぎない事実へと変えてしまったのだ。
弁護士が、静に、しかしし焦ったように里子の肩を支える。
「落ち着いてください、奥さん」
彼の計画も、依頼がここまで取り乱してしまっては台無しだろう。
「とにかく、々は事実確認を……」
弁護士がなおもいがろうとした、そのだった。
院のドアが再び勢いよくかれた。
そこにっていたのは、血相を変えた秘だった。
「院!変です!マスコミが、マスコミが病棟エリアにまで侵入してきています!」
「なんだと!」
秘は息を切らしながら報告する。
「おそらく清掃業者か何かに扮して……もう、拓也様と麗子様の個のに何も張り付いて……」
その報告を聞いた瞬、弁護士の顔が変わった。
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彼が最も恐れていた事態だろう。
この騒ぎがマスコミによってリアルタイムで報されれば、もう取り返しがつかない。
弁護士は忌々しげに舌打ちすると、泣き崩れる里子を無理やりたせた。
「奥さん、今は旦引きます。ここは危険だ」
そして彼は、鬼のような形相で田院と私を睨みつけた。
「この件、このままでは済まさんぞ。覚えておけ」
捨て台を残し、弁護士は半狂乱状態の里子を引きずるようにして、院から逃げるようにっていった。
まるで嵐が過ぎったかのように、部には静寂が戻る。
田院はそのにへたり込み、「助かった……」と、か細い声を漏らした。
鈴先は、呆然と私を見つめていた。
その目には、もはや同のはない。
あるのは、得体のれないものを見るような畏怖と、恐怖のだった。
彼は気づき始めたのかもしれない。
この連の騒が単なる偶然の積みねではなく、誰かによって巧妙に仕組まれたものであるということに。
そして、その脚本をいたのが、目のにいるこのいはずの女だということに。
私はそんな鈴先の線に気づかないふりをしながら、窓のに目をやった。
病院の敷には、さらにくの報陣が集まってきているのが見えた。
さあ、台はった。
狂乱の終幕が、今始まろうとしている。
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義母たちが嵐のようにった、院には苦しい沈黙が続いていた。
田院はまだショックからち直れないのか、ソファにく沈んだままかない。
鈴先はったまま、複雑な表で私のことを見つめている。
「佐藤さん」
先に沈黙を破ったのは、鈴先だった。
「君は、体何をしたんだ」
その声は震えていた。
彼はもはや私を被害者としては見ていない。
この混沌とした状況を裏で操っている何かのに、はっきりと気づいていた。
私はゆっくりと彼に向き直った。
そして、今まで浮かべていたかく怯えた表を、スッと消した。
代わりに、氷のようにたい無表な仮面を貼り付ける。
「何のことでしょうか、鈴先」
「とぼけるな。あのデータ破損も、マスコミが侵入してきたタイミングも」
鈴先の問い詰めは鋭かった。
「あまりに良すぎる。まるで、誰かが脚本をいたみたいじゃないか」
だが、私はじない。
「先、お疲れのようですね。昨夜からほとんど眠れていないのではありませんか?」
私は彼の言葉を真っ向から否定も肯定もせず、ただ静かに彼の体調を気遣う言葉を返した。
そのあまりにも落ち着き払った私の態度に、鈴先は逆に言葉を失ったようだった。
その、院の話がけたたましく鳴り響いた。
田院がビクッと肩を震わせ、恐る恐る受話器を取る。
「はい……院の田でございますが……」
話越しの相の言葉を聞き、院の顔が見るみるうちに青ざめていく。
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