みかん小説
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"赤ペンで消した夫" 第19話

い込む指名と、独の狼煙

朝を終えた午。 文卓ののノートパソコンをいた子は、受信トレイに届いていたメールの件数を見て目を見張った。

版の法務部監査・相楽からの正式な謝礼と処分完の報告メールに加え、社の版社数社から、直接の仕事依頼が何通も届いていたのだ。

『黒沢子様。突然のご連絡失礼いたします。文社の文芸局・友です。版の相楽氏より、あなたの卓越した正技術と、言語分析の精緻さについて伺いました。来刊予定の、芥川賞作・島先の渾の歴史編について、ぜひ黒沢様に責任正をお願いできないでしょうか』 『講談館の文芸第部です。社内でも「黒沢子の赤字は芸術である」と評判をにしております。専属でのフリーランス契約をご相談したく……』

相楽監査が、今回の内部告発における子の完璧な仕事ぶりと、切のを交えずに事実のみを抽しきったプロフェッショナルとしての矜持にく銘を受け、業界各社の鎮たちに彼女の腕を推薦してくれていたのだ。

子は胸がくなるのをじた。 也の妻としてではなく、誰かの付属物としてではなく。 「黒沢子」というの独した技術者として、彼女の能力が正当に評価された瞬だった。

彼女は背筋を伸ばし、通通のメールに、丁寧で簡潔な承諾の返信を打っていった。

午には、郵便受けに分いレターパックが届いた。 差は、老舗の堅版社・声社。 同封されていたには、こう記されていた。 『黒沢様。この度、まったくの無名が持ち込んできた原稿がございます。文章は荒削りで、商業版のルールも守れていませんが、魂を削るような真実の叫びが宿っています。どうか、あなたので、この言葉のを払い、世にるべき形へと導いていただけないでしょうか』

子は封筒から、原稿用の束を取りした。 枚枚に、万で力くき殴られた、臭くも切実な文字の群れ。 そこには、誰かの代でも、計算された虚飾でもない、本物のの鼓が脈打っていた。

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