"無一文の清掃員に届いた出前丼(" 第16話
だが、議なことに、悔のは微も湧いてこなかった。
そこからの分、俺たちは猛烈な勢いでいた。 相澤さんが受付のメインブレーカーをげ、業務用のパソコンをちげ、代表話の留守番設定を解除した。 俺はボールペンを握りしめ、ゴミ箱に放り込んだ休診のの裏に、きな太い文字でたな告をき殴った。
『本、通常通り診療をっております。 ただし、諸般の事により、現ご案内できる診療内容が限られております。 術、ならびに救急の受け入れはできません。 定期処方のお薬のご相談、血圧や般な健康管理、病院への紹介状の作成などは通常通り承ります。 変なご便とご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願い申しげます。 永瀬病院 院 永瀬裕介』
き終えて読み返すと、できることよりもできないことの言い訳の方が遥かにい、けない告文だった。 「先、これ、貼りましょう」 「……ずいぶんけない貼りですね」 「いいえ、とても正直で誠実な貼りです」 相澤さんはそう言って微笑むと、セロハンテープを受け取り、玄関の自ドアの内側にしっかりと貼り付けた。しだけ肩がりに歪んでいたので、で角を引っ張って貼り直した。
やらなければならないことは積みだった。
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この病院はこれまで院内処方で薬をしていたが、薬剤師が全員退職してしまった以、院内で薬を調剤して渡すことは法律能だ。 俺は受話器を握りしめ、駅にある「原薬局」に話をかけた。 「原さん、永瀬病院の裕介です。……実は当院の薬剤師が急遽となりまして、本の来からすべて院処方箋の発に切り替えさせていただきたいのです。突然の勝なお願いで変恐縮なのですが、受け入れていただけないでしょうか」 話にた薬局の主、原さんは、瞬の沈黙の、く息を吐いて言った。 『先……事は、今朝から町でに入っていますよ。黒川先たちがごっそり抜けたんでしょう。変でしたね。……処方箋の件、もちろんんでお引き受けしますよ。うちの庫でりない薬があれば、隣の調剤薬局ネットワークからすぐに取り寄せますから、先はして処方箋を切ってください』 町の噂の回るさに驚愕したが、それ以に、見捨てられなかったことへの謝で界が滲んだ。 話を切った、俺は院内の調剤へり、劇薬や麻薬が保管されている薬品庫のダイヤルを施錠して封印した。向精神薬の管理帳簿の数値を現の実庫と照する。数字は完全に致していた。帳簿の最の欄には、昨退職した薬剤師の几帳面なサインが残されていた。
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続いて、管轄の消防署の救急指令センターへ話を入れた。 「永瀬病院の院、永瀬です。変申し訳ありませんが、当面の、医師および護師の体制により、救急の受け入れを全面に止させていただきます。ほど、正式な救急告示医療関の休止届を県へ提いたします」 受話器の向こうの通信指令員は、瞬息を呑み、 『……解いたしました。現の救急隊へ周します。先、お体に気をつけてください』 と、事務ながらも労わりの滲む声で応じた。 祖父の代から以、昼夜を問わず救急を受け入れ続けてきた病院の板を、自分のでろす瞬だった。受話器を置いた、が鉛のようにくじられた。
さらに、所轄の保健所と郡の医師会へも連続して話をかけた。 全職員が退職したこと。現は医師名、護師名の体制で、来の初期診療のみを辛うじて維持していること。休止の病棟には切をつけていないこと。 どちらの担当者も、こちらの窮状を聞き取りながら、決して責めるような調は取らなかった。だが、保健所の医療監の担当官は、通話の最にい声で釘を刺した。 『永瀬先。貴院には類、まだの病が登録されています。病が登録されている以、法律は無診療所ではなく「病院」
としての基準が適用されます。現の医師、護師の体制では、医療法が定める員配置基準を著しく割り込んでいます。
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