みかん小説
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"無一文の清掃員に届いた出前丼(" 第17話

来診療を継続すること自体を今すぐ差し止めることはいたしませんが、休止の病を正式に廃止するのか、それとも員を補充して再するのか、期の決断をお願いします。いうちに、実態調査のために度ち入り検査に伺うことになります』

話を切り終えた、計の針はすでに午分を回っていた。 待には、静寂だけが横たわっていた。

午の診療、患者はただのも訪れなかった。 俺はを着て、診察の回転子に座ったまま、じっと机ののパソコン画面を見つめていた。 相澤さんは受付のカウンターに座り、折、カルテの理をするの音だけを響かせていた。 自ドアのく鈍いモーター音は、度として鳴らなかった。

午。午。 待の苦しい静寂に耐えかねた俺は、部をてテレビの主源を入れた。だが、誰も見ていないワイドショーの甲い笑い声やCMの音楽が、かえってがらんとした空の虚しさを際たせるだけだった。俺は耐え切れず、すぐにリモコンで画面を消した。

「……相澤さん」 「はい、先」 「町のたち、もうみんなっているんでしょうね」 「……ええ、っているといます」 柏町は万にも満たないさな町だ。病院の職員がまとめて辞め、隣町の巨病院へ移籍したという衝撃なニュースは、今朝のゴミしの帯には全世帯へと駆け巡っていたはずだ。

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そして、々のではこんなに囁かれているに違いない。 『永瀬病院は、院がんで完全に終わった』 『を継いだ若先は頼りないから、あっというに見限られたらしい』と。

午に鳴った話は、わずか本だけだった。 本目は医療廃棄物の回収業者で、今の回収スケジュールをどうするかという確認だった。俺は「しばらくの、回収を止してください」と答えた。 本目は、番号の押し違いによる違い話だった。 そして本目は、聞き覚えのない老の声だった。 『あの……そちらの永瀬病院さん、今はお医者様、いらっしゃるんですか?』 俺は受話器をく握りしめ、「はい、診療しております」と答えた。 受話器の向こうの主は、『そうですか……』とく息を漏らすと、それ以何も言わずに静かに話を切った。 受話器をフックに戻した、俺の指先はたく汗ばんでいた。「やっています」と、ただそれだけの事実をにするのに、これほどの勇気が必だとはにもわなかった。

正午のチャイムがくの防災無線から響いてきた、俺はを脱ぎ、くのコンビニまでっておにぎりをつ買ってきた。 受付のカウンターので、相澤さんと並んでパイプ子に座り、セロハンを剥がした。 「先、お昼はいつもコンビニのおにぎりなんですか?」

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鮭のおにぎりをに運びながら、相澤さんがふと尋ねてきた。 「ええ、ここ何かはずっとこれですね。軽ですし、も取られませんから」 「……お体に悪いです。ちゃんと栄養のある温かいものを召しがらないと」 「あはは、が痛いですね」 相澤さんはそれ以何も言わなかった。 だが、その翌から、受付の机のには、保温能のついたきなステンレス製の筒が置かれるようになった。俺が議そうに眺めていると、相澤さんは「自宅からのお茶のついでです」と素っ気なく答えた。だが、その筒に注がれていたのはお茶ではなく、汁の効いた温かい具沢の噌汁だった。しかも、らかに分の容量があり、豆腐とワカメのもあれば、豚肉と根の豚汁のもあった。ついで、にしてはあまりにもの込んだ温もりに、俺はそれ以理由を尋ねる野暮な真似はしなかった。

午になっても、待のドアは閉ざされたままだった。 じっと座っていることに耐えられなくなった俺は、診察をて、階の奥にある事務へとを踏み入れた。 そして、その部に歩を踏み入れた瞬、俺は自分が病院経営という現実について、何ひとつ理解していなかった愚か者であることをいらされた。

机のには、処理されるのを待つ類のがうずたかく積まれていた。

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