みかん小説
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"無一文の清掃員に届いた出前丼(" 第22話

どちらかがを止めれば、そのの病院の能が完全に止してしまうのだ。

あるの午過ぎ、相澤さんがったまま識を失いかけたことがあった。 オートクレーブ(圧滅菌器)のい鉄扉ので、器具の入った属トレイを両に持ったまま、目をけた状態でピクリともかなくなっていたのだ。 「相澤さん!」 俺が肩にを置いて叫ぶと、彼女は「ハッ!」と息を呑んでね起き、自分がったまま眠りに落ちていたことに気づいて顔を真っ赤にした。 「す、すみません……! 私としたことが……!」 「相澤さん、今すぐ休んでください。の来は、午だけに縮します」 「いえ、丈夫です! まだけます!」 「丈夫じゃありません! 院命令です!」 俺が声を荒らげると、相澤さんは目を丸くし、それからふっとさく吹きした。 「……院命令だなんて言葉、先のおから初めて聞きました」 「……俺も、まれて初めて言いましたよ」 その週の半から、俺たちは来診療を午のみに縮した。 体裁を取り繕うことよりも、相澤さんをこれ以過労で倒れさせないことの方が、遥かにな優先事項だったからだ。

午の来を閉めた、俺たちの本当の「第ラウンド」が始まった。 事務の机のに積みになった、あのレセプト業務だ。 ヶ分の膨なカルテの束を枚ずつめくり、初診料、再診料、来管理加算、検査の包括点数、投薬の調剤料を、専用の計算コードと照しながらパソコンに入力していく。

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病名の付け方ひとつ、検査の適応理由のき方ひとつで、保険審査関から容赦なく減点されたり返戻(類の差し戻し)されたりするのだ。 歳になって、俺は医師国試験の勉以に必になって、診療報酬の算定マニュアルにかじりついた。 分からない点数やエラー表示がるたびに、俺は恥を忍んで、県の国民健康保険団体連会(国保連)の審査課に直接話をかけて教えを乞うた。 『医師自らがレセプトの算定ルールについて話してくるなんて、代未聞ですよ』 当初は警戒し、審がっていた審査関の担当者も、当院の壊滅な事を包み隠さず話すと、同したように非常に細かな入力順や返戻を防ぐための摘欄のき方を取り取り教えてくれた。 話の最には、必ず『先、変でしょうが、町のために踏ん張ってくださいね』と言葉を添えてくれた。

そして、何よりも俺たちを救ってくれたのは、駅の原薬局の主、原さんだった。 調剤薬局ので以のキャリアを持つ原さんは、俺が発した院処方箋の記載に備や相互作用の疑いを見つけると、そのの来が終わるや否や、処方箋の控えを持って自ら病院へ駆け込んできてくれた。 「永瀬先、この患者さんの圧薬と腺肥の薬、この組みわせだと血圧が急激にがりすぎる危険がありますよ。

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あと、こっちの抗剤は腎能の数値を考えると投与量を半分に減らした方が全です」 「ああっ……すみません! すぐカルテを修正します!」 俺が青ざめてをげると、初老の原さんは柔らかな笑顔でを振った。 「いいんですよ、先。医師と薬剤師がこうやってお互いの角を補いうのが、本来の医薬分業の姿なんですから。……それにね、院先には、うちの親父が脳梗塞で倒れた、夜に往診に来てもらって命を救ってもらった恩があるんです。永瀬病院の灯りを消させやしませんよ」

の温もりに、何度も何度も涙腺が緩んだ。 俺が父の代わりを務められているわけでは断じてない。 父が、見返りを求めずにこの町に蒔き続けてきた無数の優しさの種が、父の、芽を吹き、形を変えて、無能な息子である俺の背を方方から支えてくれていたのだ。

夜の事務で、相澤さんと向かいってコンビニの弁当をべながら、翌の来の準備をめるのが課になった。 自然と、言葉を交わす会も増えていった。 相澤さんは柏町のではなく、隣町のベッドタウンでまれ育ったのだと教えてくれた。護学を卒業した、県庁所の学病院の救急病棟でほど勤務していたという。

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