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"父の治療費70万円を拒んだ夫と、葬儀で開いた黒い封筒" 第6話

浩から活費を全く渡されず、父から密かに届いた封筒のおで材を買っていたことも。

すべてをっていたのかもしれない。

「美咲、聞いているのか?」

浩の苛った声で、私は現実へと識を戻した。

「はい」

私はい返事をした。

浩は契約を指差した。

「これに署名してくれ」

彼は再び同を引こうとする調になった。

「母さんを1にできない」

私は振り向き、たく言い放った。

「義母さんは1ではありません」

族の顔をい浮かべる。

「浩さんと修さんとマリさんがいます」

浩は即座に言い訳を並べた。

「妹にはがある。修は会社が忙しい」

自分自についても正当化する。

「俺だって働いている」

私は彼らの論理を皮肉った。

「私は働いていないから、介護をするべきだと」

浩は当然のように頷いた。

「そういうことだ」

私は核を突く質問をした。

「では、婚の私の活費は誰が払うのですか?」

浩はしの躊躇いもなく答えた。

「おの父親の財産があるだろう」

その言が発せられた瞬、病の空気がピタリと止まった。

私はゆっくりと線をげ、浩の顔を見つめた。

「父に財産があると聞いたのですか?」

浩はわずかに目を泳がせた。

「いや、普通のにはくらいあるだろ」

私はさらに問い詰めた。

「の所をっていますか?」

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浩は声を荒げた。

「っているに決まっている」

彼はで続けた。

「おが育っただろ」

私は静に質問をねた。

「そのを売る話を、誰としましたか?」

浩はを閉ざし、黙り込んだ。

袖のに隠した録音のさな赤いランプが、定のリズムで点滅している。

私は胸の奥に、たいものがゆっくりと広がっていくのをじた。

浩は何かをっている。

父のの価値、父の財産の。

私が実のことなど何も持っていないとい込んでいる佐伯のたちが、密かに父のを待っているのだ。

「もういい」

浩は机のから契約をひったくるようにに取った。

「おがその態度なら、本当に婚するからな」

私は表を変えずに答えた。

「はい」

浩はドアに向かいながら捨て台を吐いた。

「悔してもらないぞ」

私は彼の背に向かって、静かに返した。

「悔するのは、どちらでしょうね」

浩が病をていった。

いドアが音をてて閉まった、ベッドのの父がゆっくりと目をけた。

「録音したか?」

私は頷いた。

「うん」

袖の録音に触れる。

「最の言葉も、全部」

父はさく、満そうに頷いた。

「なら、もう迷うな」

私はベッドにづき、父の顔を見ろした。

「父さん、浩は何をっているの?」

父は線を井に向けたまま答えた。

「っているのは、財産があるということだけだ」

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父は微かに笑みを浮かべた。

「だが、本当の額も、会社のこともらない」

私は驚いて父を見た。

「会社って……」

父はしばらくの、黙り込んだ。

それから、枕元のストロー付きのコップからをんだ。

「おには、もっとく話すべきだった」

私は父のを握った。

「何を?」

父は私の目を真っ直ぐに見た。

「私が作った会社のことだ」

私は息をのみ、父の顔を見つめた。

父はただの病院の院ではなかったのか。

だが、い返せば議なことはいくつもあった。

この病院に置かれている古い医療器のくは、父の会社から納入されたものだという。

私は子供の頃から、父が方の優しく素朴な医師として働いている姿しからなかった。

父はくの患者から慕われていた。

けれど、診療所の裏には、いつも見らぬたちが入りしていた。

仕ての良いスーツ姿の男たち。

員。

弁護士。

私は彼らのことを、単なる医師としてのりいや入り業者だとい込んでいた。

「野ライフケアホールディングスは、父さんが作った会社なの?」

私は震える声で尋ねた。

父は静かに答えた。

「そうだ」

信じられない事実だった。

「全国の施設を持っているあの会社……」

父はゆっくりとく頷いた。

「私が表にると、患者も社員も厄介なことに巻き込まれる」

父は理由を語り始めた。

「だから、代表は宅に任せていた」

宅さん。々に来ていたあの温な男性か。

「株式の63%は、信託に入れてある」

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