"宅配便を盗んだ隣家の息子と、箱から飛び出した蚊" 第15話
俺は引きしから細を取りした。
「え、もちろん。あ、こちらお客様の契約内容です」
俺は細の項目を指でなぞりながら説した。
「超過料を含む気代325万、Wi-Fi利用料105万」
彼は言葉を失い、をパクパクさせた。
俺はさらに追い打ちをかけた。
「のお客さんを座らせずに、あなた1がその席をずっと使い続ける状態をキープするために必なコストとなる席占維持費120万いただきます」
俺は内で勝利を確信していた。
彼は顔を真っ赤にして反発した。
「だからこの請求自体がおかしいって」
俺は余裕の笑みで尋ねた。
「どの辺がです?」
彼は両を振り回して叫んだ。
「全部だよ。全部」
俺は静かに彼を見つめた。
「抽象で分からない。タイパ悪いアンサーはやめてください」
彼は俺の言葉に過剰に反応した。
「俺の真似するな。逃げるな。説」
俺は肩をすくめて答えた。
「説も何も、俺は契約通りに履しているだけっすよ」
俺は彼の元にあるコンセントを指差した。
「あなたのブースのコンセントは個別のスマート力メーターにて毎秒確認計算しています」
俺は契約の文字を指差した。
「あら、いてますでしょ」
彼は契約をひったくるように奪い取った。
「確かにいてあるけど。だからってなんで300万超えなんて。いくら累計だったとしても、その額は常軌を逸してるじゃないですか」
広告
その、カウンターでコーヒーをんでいた常連客の男性がをいた。
「それは常軌を逸した使い方してるおのれが悪いんちゃうんか」
彼は常連客に向かって鳴った。
「野は黙っててください」
常連客の女性もちがり、彼に言った。
「1つよろしいでしょうか」
彼は苛ちを隠さずに言い返した。
「だから野は」
女性客は穏やかな調で言葉を遮った。
「話を聞いていた方がいいといますよ。この方、うちの常連客。君と同じ契約をしてくれたですよ」
俺は頷いて紹介した。
「コーヒー好き。ちなみに彼女も本請求させてもらったんですよ」
彼は驚いて女性客を見た。
「いくらですか?気になります」
彼はまた偉そうな態度に戻った。
「そういうだるいのいいから。ハリーアップ」
女性客は涼しい顔で答えた。
「ジャスト10万円です」
彼はを疑い、聞き返した。
「ジャスト10万円?」
女性客は首を横に振った。
「ちっとも全くくないです」
女性客は自分のカフェの利用方法を説した。
「私はのコーヒー好きで、300テツさんのを利用しておりますので。300、つまり1平均約333円という、おの好きなコスパ最ということじゃ」
彼は納得がいかない様子で俺を睨んだ。
「それだったら俺も同じや。それ以です。毎通っているんですから。10万円と550万円、なんで55倍も違うんですか?答えは決まってますよね」
広告
彼は自分で答えを言おうとした。
「はい。せーの」
しかし、俺が先にをいた。
「さあ」
俺は契約の別のページをいた。
「こののプランは利用者にはめちゃウマなんですよ」
俺は指で条件を示した。
「1以内の利用、またはドリンク2杯目以の注文でブース利用料と気代を完全に無料にしてますからね」
女性客が同するように頷いた。
「常識の範囲内で使ったから、そのいに相当する額になっただけです」
常連客の男性も加勢した。
「休憩やのPC作業をする般客にとっては良なサービスじゃからな。ルール内で正しく使えば非常にエレガントでクリーンと言いますぞ」
彼は混乱し、を抱えた。
「ってことはこの550万を作った原因にあるのは」
俺はたい笑顔を向けた。
「はい。せーの」
彼は悔しそうに顔を歪めた。
「嬉しくねえ。待って」
俺は彼に細を突きつけた。
「全てを契約の元に請求しておりんす。ここよ。ここをよくご覧なさいよ」
彼は震えるで細を受け取った。
常連客の男性が解説した。
「利用規約の7条に、舗が定める標準力消費量を超過したおよび接続が定を超えた、規約料超過が加算されるってありますぞ」
彼は突然何かをいし、叫んだ。
「あ、AIのせいだ」
俺と常連客たちは呆気にとられた。
彼は得げに説し始めた。
「その契約、俺が目を通したんじゃないんです。
広告
おすすめ作品
-
完結第11話
妊婦を狙う老人と十一月の凶刃
「妊婦は立て!奇形が産まれるぞ!」 早朝の電車内、妊婦を怒鳴りつける老人に激昂し、詰め寄ってホームへ追い払った会社員の成瀬涼。だが座席の下に落ちていた老人の定期券の裏には、戦慄のメモが挟まれていた。 『十一月十七日 東都産婦人科 産ませるな 絶対に殺す』 日付は明後日。七年前に母を自死で失った涼は、その朝、病院の物陰で張り込む。午前九時十五分、現れた老人のポケットから閃いた一本の果物ナイフ。 電柱へ組み伏せた涼の背後から、駆け寄った妊婦の悲鳴が響く。 「お義父さん……!?」 老人が隠し続けた、血塗られた過去とは。怒り|真相1.7万字5 539 -
完結第18話
夫が遺した土地と、隣家の3台の車
夫・正夫を亡くしてまだ3か月。65歳の照子に、隣人・真由美は「もう使う人はいないでしょう」と夫の物置を片づけ、20年間無償で借りてきた土地へ3台分のカーポートを建てたいと言い出す。 しかも「20年使えば、もううちのものみたいなもの」と返還まで拒もうとした。 しかし夫の書類箱から見つかったのは、村上家自身が「無償でお借りします」と署名した20年前の便箋。さらに正夫の手帳には「村上さんに空き地の話」「畑の土」「玉ねぎの苗」と、秋に土地を返してもらう計画が残されていた。 やがて照子の知らないところで、物置撤去を前提に業者まで呼ばれていたことが発覚する。 亡き夫の親切を“当然の権利”に変えようとする隣人に、照子は残された記録を手に、20年続いた曖昧な関係へ初めて線を引く――。日常ホラー|修羅場2.0万字5 867 -
完結第18話
余命半年と嘘をつき、愛人と隠し子を選んだ夫
「俺はあと半年しか生きられない」――夫・健一から突然、肺がんによる余命宣告を告げられた恵子。しかしその夜、1人で人生を考えたいと言って出かけた夫は、隣町のスナックで若い女性・みほと会っていた。 幼馴染・香織が録音した会話から、健一が既婚者であることを隠してみほと関係を持ち、存在しない「軽井沢の豪邸」で一緒に暮らそうとしていることまで判明する。さらに健一は、妊娠中のみほとの子を「隠し子」と認め、「遺産は愛人と子供に渡すから、お前は我慢しろ」と恵子へ言い放つ。 だが恵子は夫の病気そのものを疑い始める。やがて健一が“証拠”として見せた診断書に、決定的な綻びが見つかる――。怒り|不倫2.7万字5 3461 -
完結第21話
母がナイフで砕いた自分の名前
母の七十歳の祝いで、私は家族に尽くし続けた母に自分の人生を取り戻してほしい一心から、ケーキのプレートに書かれた夫の姓を削り落とし、母の旧姓を書き直した。これで母は喜んでくれるはずだった。しかし母は青ざめ、「誰が戻りたいなんて言ったの」と私を睨みつけると、ナイフを掴んで自分の名前を何度も突き刺し粉々に叩き割った。家族全員から責め立てられた私は、母の部屋で底面を無残に削り取られた大量の人形を見つける。怒り|兄弟姉妹|真相|親子関係|修羅場3.1万字5 148 -
完結第20話
教室の最後列に座る元教員
定年退職した元教員の私は、一度も教えたことのない男子生徒の保護者会に、身元を偽って六年間通い続けていた。教室の最後列から見つめる先には、油まみれの作業着を着た父親が座っている。受付簿の不審な記録に気づいた校長から昇降口で問い詰められた帰り道、桜が散る坂道でその父親が私の前に立ちふさがった。二十四年前の元教え子だったその男は、振り返りもせず、私の背中に向けて「あの席、あと何年座るつもりですか」と低く告げ怒り|真実|親子関係|修羅場3.1万字5 123 -
完結第21話
優しい教室で震える息子
息子が突然学校に行けなくなり、担任は「いじめなどなくクラス全員に愛されている」と胸を張った。不審に思った私が息子のランドセルを調べると、底板の裏から三十七枚の給食費受領書が出てくる。我が家は困窮などしていないのに、三ヶ月間、生徒全員が日替わりで息子の昼食代を立て替えていた。私が学校へ確かめに行こうとした瞬間、息子は「言わないで」と叫んで床に泣き崩れ、その紙片を必死に胸へ抱え込んだ。怒り|裡の顔|親子関係|金銭問題3.2万字5 6060 -
完結第23話
締め出された新社長
父から印刷会社を継ぎ、代表取締役として誰よりも早く出社した初日の朝、私のカードキーだけが赤く点滅して通用口が開かなかった。清掃員や入社三カ月の新人、配送トラックが次々と通過していく中、古参の会計は「先代の指示で権限を削除した」と告げる。社内では判断を下せる者がおらず、営業と現場の怒号が響き合い、輪転機が完全に停止した。私は閉ざされたガラス扉の脇にパイプ椅子を置き、冷たい缶コーヒーを握りしめた。職場逆転|人生逆転|怒り|親子関係|修羅場3.5万字5 218 -
完結第24話
妻の手術翌朝、七通の解約通知
妻が胆嚢ポリープの手術で入院した日、私は仕事を優先し「自分で処理しろ」と見舞いを断った。だが翌朝、私の携帯にマンションの駐車場、クレジットカード、父のデイサービスを含む七通の解約通知が立て続けに届く。カードは店頭で弾かれ、ビルのゲート前で立ち往生した私は、妻の報復を確信して病室のドアを乱暴に開けた。点滴に繋がれた妻は、今すぐ元に戻せと詰め寄る私の目の前で、スマートフォンの画面を静かに伏せた。怒り|夫婦|介護|修羅場3.7万字5 232 -
完結第18話
ゴミ箱の隣に座る学年一位
学年1位を守り続けてきた娘が、二学期に入ると突然一番後ろの席に移動させられ、学級委員長も外された。何か処分を受けたのかと学校へ詰め寄る私に、娘は「この席でいいの」とだけ言い、何も説明しようとしない。納得できないまま迎えた参観日、教室の後ろに立つ私は、娘の隣にぽつんと置かれた空っぽの机に気づいた。誰の席なのかと問い詰める私に、担任は教室の隅を見つめ、「娘さんが残してくれと頼んできたんです」と静かに告げた。怒り|真実|孤獨|親子関係|修羅場2.8万字5 173 -
完結第18話
退職金と三百万円の借金
三十二年間勤めた会社を定年退職する日、人事に呼び止められた私は、一枚の紙を突き出された。それは私の名義と私印で作成された、三百万円の福祉貸付金の借用証書だった。返済が済むまで退職金は支払えないと告げられるが、私に借金の覚えなど一切ない。震える手で書類の日付を確認すると、そこには十一年前、夫が急逝して告別式を行っていた日の数字が並んでいた。私は退職の合意書へのサインを拒み、人事の机に手をついた。怒り|退職金|金銭問題|修羅場2.6万字5 612