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"認知症に仕立てた息子夫婦が奪った実印は偽物だった" 第10話

「に、ご族がおばあちゃんを連れてかれるそうです」 泉さんがはる子を見てく頷く。決戦のが来たのだ。

翌朝の。

はる子は準備を終えて廊にた。 健とさやかがっていた。ともきちんとしたなりをして、緊張した面持ちだ。 「今は事な用事を済ませにきますよ」 さやかが笑いかけながら、はる子の腕を取る。その目は相変わらずたかった。

に乗り込み、分ほどってオフィスビルのでまった。 エレベーターで階へがる。突き当たりのドアには「司法士事務所」とかれていた。 へ入ると、代の男性司法士がちがって挨拶をした。

「本は財産譲渡の契約ということでよろしいですね」 さやかが素く答える。 「はい。母が認症と診断されまして、管理が難しいので息子に譲渡したいと」

診断を受け取った司法士は、困惑のを浮かべた。

「認症の疑いという所見ですね。原則としては、確定診断がてから続きをめるのが筋なのですが……」 「私たち、急いでいる事がありまして。母の状態がにに悪くなっているんです。どうかお願いします」 さやかがを乗りして懇願すると、司法士はためらいながらも類の作成をめることに同した。

の所権移転、通帳の名義変更。

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全ての財産に関する類がはる子のに並べられた。 さやかがバッグから印鑑を取りした。

はる子はその印鑑をじっと見た。自分がすり替えておいた偽物の認印だ。

「お母さん、ここに押してください」 さやかははる子のを握り、印鑑を持たせて類のへと導く。 健は窓のを見ながら、刻みにを震わせていた。 はる子のが類に触れようとした、その瞬だった。

コンコン、とドアをノックする音が響いた。 返事を待たずにドアがき、の男性が入ってくる。先にっていたのは猛志だった。 「警察です」 警察帳を見せる猛志の姿に、さやかの顔がこわばり、健が子からびがった。

「な、何のご用でしょうか?」 「齢者虐待、及び財産犯で参りました」 猛志のたい声に、さやかが声を荒げた。 「私たちが何か悪いことをしたと!? 母が認症で管理ができないから助けているんですよ!」

猛志は内ポケットからさな録音を取りして見せた。 「おばあちゃんご自が録音された証拠があります。病院や施設での会話が全て記録されています」 さやかの顔が真っ青になった。健は唇を震わせている。 「ろ、録音ですって……?」

「認症の確定診断もないまま財産譲渡を試み、成見制度を悪用しようとしましたね」 司法士も事態を察して青ざめ、類を放した。

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はる子はゆっくりと顔をげた。今までぼんやりとしていた差しが、鋭いを放っている。

「お母さん……?」 はる子はさやかを真っすぐに見つめ返した。 「なぜ私を捨てたの」 声はく、たかった。 「なぜ携帯話を奪ったの? なぜ認症でもないに薬をませたの?」

さやかは言葉を失い、ずさった。

「こ、これは誤解です! 私たちはお母さんのために……」 「ごめんなさい、本当にごめんなさい! 借がくてどうしようもなかったんです!」 健が震える声で泣き叫ぶ。

はる子はややかに息子を見ろした。 「おが必なら、そう言えばよかったじゃない。どうしてこんなことをしたの?」 「だって、お母さんが助けてくれなかったじゃないですか!」 顔を歪めて叫ぶ健に、はる子は静かに言い放った。 「だから、私を捨てたのね」 健はもう答えることができなかった。

猛志の図で、捜査員たちがに錠をかけた。 「私たちは本当に母のために……!」 最まで見え透いた嘘を叫び続けるさやかの声は、エレベーターのドアが閉まると同に途切れた。 事務所が静まり返る。

「私は本当に何もらなかったんです……」と震える司法士に、猛志は協力を請した。

「よく耐えられましたね」 猛志がづき、はる子を労う。施設の記録も病院の記録も、すでに警察が確保にいていた。

その、ドアがいて配の女性が駆け込んできた。千恵子だった。 「はる子さん!」 づいてきた千恵子が、はる子のを固く握りしめる。

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