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"預金拒否の令嬢、五千億の審判" 第7話

ただつだけ違うのは、もう隣に、自分を抱きしめてくれる母がいないことだけだった。

亮が線をげたそのだった。

会の央、段くなったフロアから、に障る甲い笑い声が響き渡った。

「あははは! 本当、昔からセンスのないたちばっかりね!」

取り巻きの男女を引き連れ、にしたクリスタルのシャンパングラスを揺らしながら歩いてくる女の姿があった。

全を級メゾンの最作ドレスで包み、首元には粒のダイヤモンドが散りばめられたネックレスがギラギラとを放っている。

リカ、歳。

平成の取令嬢として、今もなお何自由のない特権階級の暮らしを謳している女だった。

リカは取り巻きたちと談笑しながら歩いていたが、ふと会の最果ての席に座る、みすぼらしいスーツ姿の亮の姿を界に捉えた。

その瞬、彼女の瞳に懐かしさなど微もない、酷な嘲笑と嗜虐なが灯った。

リカはツカツカとヒールを鳴らしてづいてくると、品定めするように亮をからまで見ろした。

「あらあ、島君じゃない! 懐かしいわねえ、まだこの町できてたんだ?」

亮は元のグラスを見つめたまま、静かにく答えた。

「……ああ」

リカはわざとらしくきなため息をつきながら、亮の向かいのパイプ子をガラガラと引き、どっかりと腰をろした。

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「相変わらずねえ、その格好。何それ、量販のワゴンセールで買ったスーツ? 靴の踵なんてすり減って斜めになってるじゃない。今の代、そんなみすぼらしい靴を履いて級ホテルに来るなんて、あなたくらいのものよ」

ろに控えていた取り巻きの女たちが、ハンカチを元に当ててクスクスと笑い声を漏らした。

亮は何も言い返さず、ただ琥珀の液体をじっと見つめ続けた。

リカは脚を組み替え、探るような線を向けた。

「ところで島君、今は何の仕事をしてるわけ? まさかお母さんと同じで、どっかのビルのお掃除でもしてるのかしら」

亮は淡々とした声で答えた。

「さな会社を、自分で経営しているよ」

リカの細い眉が瞬だけピクリといた。

「へえ、経営者なんだ。じゃあさ、うちのパパの……平成に、法座くらいは作ってくれたのかしら?」

「まあ、応ね」

亮がそう答えると、リカは仰に両を広げて取り巻きたちを振り返った。

「応ですって! ねえ、みんな聞いた? 応持ってるんですって!」

取り巻きの男たちが、調子をわせて卑た笑いをげた。

リカはシャンパングラスを揺らし、顔をテーブル越しに亮へぐっとづけた。

「どんな会社なのよ? 社員は何くらいいるの? 商はいくら?」

「した会社じゃないよ」

亮が静かに答えると、リカは満そうに角を吊りげた。

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「ほらね! やっぱり自分でしたことないって言っちゃうあたりが、いかにも底辺の島君らしいわよね!」

そこから、リカの独壇となる自話が始まった。

「私ね、に回はヨーロッパとハワイへ旅にってるの。もちろん移はすべてファーストクラスよ。今んでるのは湾岸のタワーマンションの最階で、はガレージにが台。これが本物の選ばれたの暮らしなのよ。島君のちっぽけな世界じゃ、像すらつかないでしょうけど」

取り巻きのが、すかさずお追従の声をげた。

「リカさんのマンション、先お邪魔しましたけど、本当にホテルのスイートルームみたいで凄かったですよ!」

リカは得満面に胸を反らせた。

「でしょ? あ、そうそう、島君。うちのパパのの総預額、ってる? 兆千億円よ。あなたのちっぽけな会社の売なんて、うちのの利息の端数にも満たないでしょうね」

その贅沢な暮らしのすべてが、父親の威とのにぶらがっているだけだという事実に、彼女は微の恥じらいも抱いていなかった。

亮は何も言わず、ただ黙ってグラスを見つめ続けていた。

その静けさが気に入らなかったのか、リカはの悪い笑みを浮かべ、最も残酷なナイフを突きててきた。

「ねえ、島君。

そういえば、あなたのお母さんは、今でものを雑巾がけしてるのかしら?」

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