"別室で食べてと言われた母" 第5話
むしろ楽しかった。
朝起きるのが待ちしいほどだった。
は終わっていなかった。
歳からでも。
しく始められるのだ。
それから半が過ぎた。
私は息子たちと切連絡を取っていなかった。
ある。
兄嫁が聞を持ってきた。
「聞いた?」
私は首を傾げた。
兄嫁はため息をついた。
「匠さん、変みたいよ」
話を聞くと。
宅ローンの支払いが苦しくなっていた。
商事の退職も残っていなかった。
ギャンブルで使い果たしていたことが発覚したらしい。
夫婦喧嘩も絶えなくなった。
真美さんは実へ戻り。
匠は仕事を増やした。
残業続きで体調を崩したという。
私は黙って聞いていた。
驚きはなかった。
いつかこうなるとっていた。
は誰かを踏み台にしたまま幸せにはなれない。
そんな簡単なことを。
彼らは理解できなかったのだ。
その夜。
らない番号から話が来た。
なかった。
留守番話が残った。
匠だった。
「母さん、ごめん」
震えた声だった。
「本当に悪かった」
しばらく沈黙が続く。
「度だけ会えないかな」
私は最まで聞いた。
そして静かに削除した。
みはない。
りもない。
ただ。
終わっただけだった。
私はもう過へ戻るつもりはなかった。
を向いていたからだ。
料理教を始めてが過ぎた。
その。
私は教の発表会をいていた。
徒たちが学んだ料理を披するだ。
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会には笑顔があふれていた。
族連れ。
友同士。
配の夫婦。
皆が楽しそうに料理を囲んでいる。
私はその景を見ながら胸がくなった。
「先」
徒のが声をかけた。
振り向くと束を抱えていた。
「私たちからです」
驚いた。
束だけではなかった。
寄せきもあった。
そこにはたくさんの言葉が並んでいた。
『の師匠です』
『先のおかげで自信が持てました』
『料理がもっと好きになりました』
『これからも教えてください』
文字が滲んで見えた。
私は涙を拭った。
かつて私は族から。
お荷物と言われた。
邪魔者と言われた。
用済みと言われた。
でも今は違う。
私を必としてくれるがいる。
私の経験を価値だと言ってくれるがいる。
族に認められなくても。
は終わらない。
誰かに捨てられても。
自分まで自分を捨てる必はない。
発表会の最。
私は徒たちへをげた。
拍が起こった。
温かい拍だった。
その瞬。
私はようやく理解した。
本当の居所とは。
血の繋がりではない。
互いを尊しえる所なのだと。
へ帰る夕暮れ。
私はで歩いていた。
空は優しい茜だった。
には束。
胸には穏やかな満。
もう誰かの顔をうかがう必はない。
残りのは。
私自のためにきていく。
そうに決めながら。
私はゆっくりとについた。
そしてその表は。
かつて息子のの客で涙を流していた頃よりも。
ずっとるく輝いていた。
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