"災いの男、女だけの島" 第17話
剣造は農作業は慣れでしたが、誰よりも誠実に汗を流して働き、その愚直な真はを裏切らず、初度の収穫は期待以の豊作となりました。
黄に染まった野原で稲を刈る剣造の姿は、もはや恐ろしい荒くれ者ではなく、をし命を育む誠実な農夫そのものでした。
おやつをに乗せて畑へ届けに来るお文を見つけると、剣造は仕事を止めて満面の笑みで駆け寄り、荷物を受け取ってやりました。
端に並んで座り、汗をましながら分けう杯のお茶と握り飯は、世のどんな級なご馳よりも美しいものでした。
がづくとは越用の漬け物をたくさん漬け、薪を分に集めて寒さを乗り切る準備を急ぎました。
井杯に積まれた薪のと樽いっぱいの漬け物を見るだけで、が満たされました。
剣造は暇を見てはへ登り、を切ったり薬を採ったりして町へ売り、計のしにしました。お文はいの夜の、剣造のすり切れたを繕い、綿をたっぷり入れて温かい着を作ってやりました。
にはたいが吹き荒れていましたが、囲炉裏のを絶やさず焚いたおかげで部の隅まで温かく、の笑い声が絶えませんでした。
やがて静かなが晩り積もるいの夜が訪れ、里の全体がいに覆われ、静かな静寂に包まれました。
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は障子をしけて景を眺めながら、部の真んの囲炉裏で栗とさつまいもを焼いてべていました。
パチパチと燃える囲炉裏のがの顔を優しく赤く照らし、部に広がるばしい焼き芋の匂いは、までとろりと溶かしてくれました。
お文はよく焼けた芋の皮をむき、ふーふーと息でましてから剣造のに入れてやり、剣造はい芋を頬張りながらも幸せそうな顔で受け取りました。
俺ので、こんなに温かくて腹いっぱいのは初めてだ。昔はが来ると寒くて寂しく、酒で々をやり過ごしていたが、今はのる夜が待ちしいとは、実に議なことだ。
剣造の言葉にお文は囲炉裏のにをかざしながら静かに答えました。
私もそうです、旦様。松本のたい敷にんでいたはがいつも寒くてたかったですが、旦様と共にむこのさな古が、私には世界で番温かい宮殿です。
は互いのをしっかり握り、過ぎった過の痛みを慰めい、今ここにある素朴な幸せにく謝しました。
剣造はちがり、押入れにしまっておいた珍しいの酒を本取りしてきました。今は特別に、お文と緒に杯傾けたいだったからです。
さあ、受け取ってくれ。俺たち夫婦になって初めて迎えるを祝い、これから黒い髪が髪になるまで、互いを切にして共にきていこうというだ。
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剣造が素朴な杯に酒を注ぐと、お文は両で恐縮しながら杯を受け、穏やかに微笑みました。
旦様のおっしゃる通り、私は旦様のとなり、目となって、おそばをお守りいたします。
の杯がカチンとわさる音と共に、互いの誓いを確かめいました。ほろ酔いになるとは布団を敷いて並んで横になりました。から聞こえるの音は、まるで柔らかい子守唄のようによく響いてきました。
剣造はお文を優しく抱き寄せ、来のには俺たちに似た子供ができれば、もう望むことは何もないのだと囁きました。お文は剣造の胸に顔を埋め、さな神様が授けてくださるならでも産んで育てますと答えました。
の幸せな像は果てしなく、夜がまるほど、の絆もまたまっていきました。
音もなく静かにり続くが、剣造のの根をく覆い、庭の塀のにもこんもりと積もり、まるでい子をかぶったさな妖精たちのように見えました。
世のの全ての汚れやしみを覆い隠すようにるのように、剣造とお文の過の傷も、今やいいのに埋もれ、れていきました。
彼らはもう、忌み嫌われた荒くれ者でも、逃げ隠れた女でもなく、ただ互いをくし切にする里の、平穏で幸せな夫婦・剣造とお文として、末永く共に暮らしました。
物語はここまで。今夜皆様の寝にも、剣造のの囲炉裏のような温かいぬくもりが届きますように。
世のがどんなに寒くても、から信じ寄り添えるたったがいれば、私たちはどんな厳しいも乗り越えられることを覚えてください。
お文の真と剣造の愚直な優しさが織り成した、この美しい奇跡のような物語のように、皆様のにもいがけぬ幸運とが、柔らかなのように静かに訪れますようお祈りいたします。
さあ、胸ののい事を全てろし、らかでい眠りにつけますよう、夜は更けました。
里のさな古びた、暗い囲炉裏の灯りのでがぐっすり眠っている姿が目に浮かびます。
には相変わらず静かながり、世界は柔らかなに包まれています。
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