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完結第19話
席次表から消された姉
披露宴の席次表を確認していた時、婚約者は親族席にある私の姉の名前を赤ペンで乱暴に塗りつぶした。介護士の姉を親戚に見せるのは家の格に関わると吐き捨てる彼に、私は必死で抗議した。だが、両親のいない私を育ててくれた姉は、侮辱されても取り乱すことすらしなかった。ただ、赤線の引かれた名前を静かに見つめ、「彼のお父さんが去年入院した時、毎晩誰が付き添っていたか聞いてごらん」と私に告げた。裡切られた|兄弟姉妹|親不孝|介護|修羅場2.9万字5 2 -
完結第23話
父の逝った夜の車
父が亡くなって十八年、独身の伯父は私達三兄妹を支え続け、兄の就職も姉の結婚資金も工面してくれた。家族全員が恩人と慕う中、末っ子の私だけが幼い頃から伯父と二人きりを拒み、性格のせいだと呆れられていた。二十八歳のある日、会食の席で伯父が私の椅子を引いてくれた瞬間、鍵のかかっていた記憶が甦る。十八年前の嵐の深夜、泥まみれの母が一度だけ家に戻った時、街灯もない門前の暗闇で消灯したまま待っていたのは、伯父の車だった。兄弟姉妹|真実|親子関係|修羅場3.4万字5 0 -
完結第29話
300億円が消えた結婚式
クロスも皿もない暗い宴会場で、タキシード姿の兄が一人ぽつんと座っていた。「お兄ちゃん、えりさんは来ないって。結婚も式も全部ドッキリだったって」――それが、私の43歳の兄・琢磨が味わった地獄の始まりだった。 東和中央銀行の会長である父親やその家族は、年収620万円の建材会社主任である兄を「庶民」と見下し、前日の夜に勝手に式をキャンセルした上に、その屈辱的な一部始終を動画に収めて嘲笑っていたのだ。しかし、彼らは知らなかった。兄を虫けらのように扱ったその銀行に、私の経営するグローバル企業「ミレイビューティグループ」の全資産である300億円が預けられているという事実を。10年前、無一文だった私に兄が差し出した1000万円の連帯保証人の借用書が、今、静かに引き出しの奥から取り出される。 人間を肩書きと金だけで測り続けた傲慢な一族に、私が下す「本当の審判」とは一体何なのか。すべてを奪われた男の背後に隠された巨大な逆転劇が、今、幕を開ける。兄弟姉妹|真実4.4万字5 0
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