東京都中野区にある中薗尚秋さんの家は、かつて二軒の中古住宅をつなげて拡張したもので、築48年の歴史を誇ります。しかし、その家は70センチもの段差がある危険な住宅で、奥様が不慮の事故でアキレス腱を切ってしまうほどでした。この事故がきっかけとなり、改造を求めてある有名テレビ番組の力を借りることにしたのです。

リフォームの主要な目的は、この危険な段差を解消し、安全で快適な住環境を提供することでした。しかし、リフォームが完了した後、中薗さんが目にしたのは、期待とはかけ離れた光景でした。

家の機能性は以前にも増して損なわれ、段差はそのまま残され、さらには1階部分が以前よりも寒くなり、2階ではわずかな窓からの光を頼りにする暗闇での生活を余儀なくされました。外壁の色も乱雑に塗り替えられ、見た目にも美しさを欠いていました。

さらに問題を深刻化させたのは、日本建築検査研究所の岩山健一さんが行った調査の結果です。この調査によると、リフォーム後の建物はリフォーム前よりも品質が劣っており、基礎設計、耐力壁、断熱材、防火設備に至るまで、多くの箇所に欠陥が発見されました。このような結果が示されたことにより、中薗さんの家は文字通り「アキレス腱を切る家」から「欠陥住宅」へと変わってしまったのです。

リフォームによって家がさらに住みづらくなったことは、中薗さんにとって計り知れないストレスとなりました。彼の本来の願いは、家族が安全で快適に過ごせる空間を手に入れることだったのに、逆に生活の質を著しく下げる結果となり、非常に失望しました。中薗さんは、テレビ番組のプロデューサーと施工業者に対して何度も改善を求めましたが、彼らからは満足のいく回答を得られず、家族の生活は以前よりも困難になるばかりでした。

この事態に対して、中薗さんはさらなる行動を起こす決意を固めました。彼は自らの経験を公にし、同様の問題を抱える他の家庭が同じ過ちを犯さないように警鐘を鳴らすことにしました。また、法的な手段に訴えることも検討しています。このような経験を通じて、中薗さんはリフォーム業者の選定にはより慎重であるべきだという重要な教訓を得ました。

結局、中薗さんは自宅の問題を一から見直すことにしました。新たな設計士と協力して、本来の目的を達成するための計画を立て直すことになりました。

これは彼にとって再出発の機会であり、家族の安全と快適さを守るための重要な一歩となります。彼の話は多くの人々に共感を呼び、リフォームを考える際の注意点として、広く知られるようになりました。中薗さんの経験から学ぶべきことは多く、リフォームを成功させるためには、計画の段階から厳格な管理と詳細な確認が不可欠であることが改めて明らかになりました。