"離婚11日後、私に9億8000万円が当たった" 第28話
『同じ目に遭わせたくなかった』と言われた。
私は『同じ目に遭わせたくなくて、同じことしたんだね』と答えた。
母はようやく認めた。
『帰る所をなくせば、婚をやめるとった。それをあなたのためって言った。ごめんなさい』
私は謝罪は受け取ったが、と同じには戻らないと伝えた。
それから母は、私のへ来る、必ず先に話をするようになった。
ある夕方、母から『着いたけど入っていい?』と話があった。
窓から見ると、母はので待っていた。
1は私と娘がのにち、母がから『入るな』と言った所だった。
私は向を見た。
娘が『いいよ』と言った。
私は話で『入って』と答え、初めて自分のでをけた。
へ入った母は、改修しても残してあった古い柱へ触れた。
『お父さん、この残してたんだね』と言った。
そこへ来た修平が答えた。
『親父、2とも帰る所があるとえるようにしとけって言ってた』
母はしばらく何も言わなかった。
2、弟が結婚したも、私は10億円の姉として特別なを渡さなかった。
ごく普通の祝いを渡した。
修平が冗談で『なくない?』と言うので『欲しい?』と聞いた。
『欲しい。でももらう権利はない』と笑いった。
宝くじで約10億円当たったことが、誰が私をしているかを突然変えたわけではない。
むしろおは、それまで見えにくかったものをはっきりさせただけだった。
私が何も持っていないとわれたので、誰にも気づかれないつの古い鍵を握らせてくれた弟。
そして、9億8000万円あるとったでも、『欲しいことと、もらう権利は別だ』と言えた弟。
私がを得て番切だとったのは、があれば何でも買えるということではなかった。
自分のを、の『族なんだから』という言葉にけ渡さず、自分で選べると所を持てるということだった。
広告
おすすめ作品
-
完結第28話
父の治療費70万円を拒んだ夫と、葬儀で開いた黒い封筒
父の治療費70万円を「俺には関係ない」と拒んだ夫・浩一。しかもその裏で愛人との旅行を予約していた彼は、美咲に離婚を突きつけながら、「離婚後も母さんの介護は続けろ」と要求する。5年間、美咲が義母のために支払った金額は2280万円を超えていた。 だが浩一たちは知らなかった。地方の医師だと思っていた美咲の父が、全国に介護・医療事業を展開する巨大企業の創業者で、株式63%を管理する信託の受益者が美咲だったことを。 さらに義弟・修二が美咲名義の委任状を偽造し、密かに口座を調べていた事実まで発覚。 そして1ヶ月後、父の葬儀に現れた浩一は、なおも「母さんの介護に戻れ」と命じる。美咲は親族全員の前で、父が遺した黒い封筒を静かに開いた――。夫婦|親不孝|修羅場4.2万字5 3 -
完結第34話
妻の葬儀の夜、義母が外した指輪と娘の写真
妻・美保の葬儀が終わった夜、修二の結婚指輪を外したのは、亡き妻の母・麗子だった。「もう美保に隠す必要はないでしょう」と唇を寄せたその瞬間、娘・咲から1枚の写真が届く。そこには半年前の病院で抱き合う修二と麗子、そしてガラス越しに2人を見つめる病衣姿の美保が写っていた。 闘病中の妻を支える献身的な夫を演じながら、修二はいつしか自分の弱さを理解してくれる義母へ逃げ込み、越えてはならない境界を越えていた。しかも麗子は「美保も知っていた」「私がいなくなったら修二さんを1人にしないでと頼まれた」と主張し、その証拠となる録音まであるという。 だが翌朝、咲が告げたのは「お母さんの声を最後まで聞いて」という一言。 亡き妻が本当に残した言葉を前に、2人が都合よく信じてきた“許し”が崩れ始める――。夫婦|修羅場5.1万字5 761 -
完結第11話
豪邸を奪う義母と一枚の公正証書
「今日から同居ね。この一番大きな部屋でいいわよ」 庭付き一戸建てを購入した翌朝、引っ越し業者を引き連れた元義母が土足で新居に乗り込んできた。 中卒の元専業主婦と見下され、「不倫女」と理不尽に罵倒されるユイ。だが義母は知らなかった。その家はユイが自力で買い取ったもので、夫とは半年前に離婚済みだったことを。 「慰謝料代わりにこの家を寄越しなさい!」 逆上する義母の前に、ユイは一枚の「公正証書」を突きつける。 ある「不審なメモ」から暴かれた、夫と実の妹によるおぞましい裏切りとは――。 「この名前、誰だか分かりますか?」嫁姑|修羅場1.6万字5 470 -
完結第14話
余命3か月と嘘をついた夫は、離婚後の3000億円を知らない
夫・翔太から「すい臓がん末期で余命3か月」と告げられ、突然離婚を求められたゆい。だが診断書は偽物で、翔太には2年以上関係を続ける愛人・リナがいた。 ゆいは騙されたふりをして離婚に応じる。なぜなら父が残した信託には、婚姻関係が解消された瞬間、3000億円の一族資産が彼女へ移る条件が設定されていたからだ。 さらに翔太には会社資金約5000万円の横領まで発覚する。 莫大な資産を手にしたゆいは、父の顧問弁護士ハルトと共に元夫とその一族へ反撃を開始。ところが調査の果てに、翔太がゆいへ近づいた本当の理由が、20年以上前から続く両家の復讐にあったことを知る。 金と裏切りだけでは終わらない、父世代から仕組まれていた巨大な秘密が姿を現していく――。夫婦|修羅場|不倫2.2万字5 180 -
完結第11話
認知症に仕立てた息子夫婦が奪った実印は偽物だった
雪の降る夕方、はる子は息子・健二と嫁・さやかに「ドライブへ行こう」と誘われ、そのまま人里離れた介護ホームへ置き去りにされる。携帯電話まで奪われ、外出も自由にできない中、彼女はようやく「息子夫婦に捨てられた」と悟った。 さらに2人は、はる子に正体不明の薬を飲ませて混乱させ、認知症の診断を取ろうとしていた。 目的は、失敗したカフェ経営で消えた3000万円と、闇金から借りた2000万円を穴埋めするため、成年後見制度を利用して母の通帳と家を奪うことだった。 しかしはる子は密かに認知症のふりを続け、ズボンに隠したペン型録音機で「後見人になれば通帳も家も私たちのもの」という嫁の声を記録する。 何も分からない老人を演じながら、彼女は息子夫婦が自ら罠に入る瞬間を静かに待ち始める――。親不孝|金銭問題|修羅場1.6万字5 351 -
完結第16話
通訳を笑われた家政婦は、会長が20年前に捨てた娘
60億円規模の投資契約を目前に、ドイツ語通訳が事故で欠席。窮地に陥った大和グループで「私がやります」と名乗り出たのは、3年間ほとんど口も利かず働いてきた家政婦・森下美咲だった。 「家政婦の分際で」と会長・神崎大造に嘲笑され、失敗すれば即解雇、成功すれば月給10倍という条件を突きつけられるが、美咲は完璧なドイツ語で会談を進め、120ページの契約書に潜む不利な条項まで見抜いてしまう。さらに5か国語を操る知識と実力に投資家側も驚愕し、美咲をプロジェクトの中核に据えなければ契約しないと要求する。追い詰められた大造の前で、美咲はついに20年間封印してきた本名を告げる。「神崎美咲です。会長の娘です」 彼女こそ、妊娠8か月の冬の夜に大造自身が家から追い出した実の娘だった。20年越しの再会で、美咲が本当に取り戻そうとしていたものが明らかになっていく――。職場逆転|修羅場2.4万字5 7101 -
完結第27話
月5000円を貯めて泊まった旅館で、妻が「お嬢様」と呼ばれた
手取り23万円の配送ドライバー・かずやは、毎月5000円を5年間貯め、妻・彩佳と10歳の娘・ゆいを初めての家族旅行へ連れていく。ところが山奥の旅館へ着いた瞬間、出迎えた老紳士は彩佳に深々と頭を下げ、「お嬢様、お帰りなさいませ」と告げた。 実は彩佳は、創業150年を超える老舗旅館の一人娘だった。 かつて父の勧めで結婚した夫は旅館の信用と財産を利用しようとし、離婚して幼いゆいを連れ戻った彩佳に対しても、父は娘の苦しみより「旅館の評判」を優先した。 それ以来、実家を離れ質素に生きてきた彼女は、5年越しの旅行を機にようやく過去と向き合う決意をする。突然明かされた妻の素性に戸惑うかずやだったが、「俺が家族になりたかったのは彩佳とゆいだ」と伝える。 そしてこの旅は、長く閉ざされていた親子3代の関係を大きく動かしていく――。夫婦|第二の人生|修羅場4.1万字5 1248 -
完結第19話
10年間外に出ていない妹が妊娠、母は病院を拒んだ
10年間も寝たきりの妹・知恵の腹部が、ある日わずかに膨らんでいることに気づいた和美。妊娠検査薬はすべて陽性だったが、父親を尋ねても知恵は「彼が誰か知ったら家族が壊れる」と口を閉ざす。 妹の命を守ろうと中絶を決意した和美は、やがて自分自身の記憶にも不自然な空白があることに気づく。そして母を問い詰めた末、2年前、和美が権力者から襲われかけて抵抗し、刑務所へ追い込まれていた過去が判明。さらに、知恵は姉を救うため、自らその一族との取引を受け入れていたのだった。 和美が「自分が妹を守ってきた」と信じていた10年間。しかし本当に人生を犠牲にして姉を守り続けていたのは知恵の方だった。そして今、彼女のお腹に宿った子の父親こそ、封印されていた過去へ繋がる人物だった――。親子関係|修羅場|不倫2.9万字5 864 -
完結第14話
40度の熱で倒れた娘と、校門前の黒い高級車
40度を超える高熱で倒れた20歳の女子大生・桜。大学病院へ運ばれた彼女の身体から、医師は腰に広がる不自然なあざと、暴行を疑わせる損傷を発見する。 やがて桜は「脅迫されました」と涙ながらに告白。前夜、彼女を高級車に乗せた男は、金と人脈を持つ有名実業家・佐々木だった。 佐々木は奨学金や仕事の援助を装って近づき、拒絶すれば学生生活を壊すと脅していた。 さらに病院へ口封じの男たちまで送り込まれ、桜の携帯には脅迫メールや写真が残されていることが判明する。 そして捜査の最中、佐々木の車と関係する別の女子学生が失踪。自分だけの事件ではないと知った桜は、恐怖に震えながらも「もう沈黙しません」と証言を決意する――。真実|修羅場2.1万字5 1955 -
完結第18話
夫が遺した土地と、隣家の3台の車
夫・正夫を亡くしてまだ3か月。65歳の照子に、隣人・真由美は「もう使う人はいないでしょう」と夫の物置を片づけ、20年間無償で借りてきた土地へ3台分のカーポートを建てたいと言い出す。 しかも「20年使えば、もううちのものみたいなもの」と返還まで拒もうとした。 しかし夫の書類箱から見つかったのは、村上家自身が「無償でお借りします」と署名した20年前の便箋。さらに正夫の手帳には「村上さんに空き地の話」「畑の土」「玉ねぎの苗」と、秋に土地を返してもらう計画が残されていた。 やがて照子の知らないところで、物置撤去を前提に業者まで呼ばれていたことが発覚する。 亡き夫の親切を“当然の権利”に変えようとする隣人に、照子は残された記録を手に、20年続いた曖昧な関係へ初めて線を引く――。日常ホラー|修羅場2.0万字5 903