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"夫が遺した土地と、隣家の3台の車" 第5話

「主が戻るまで」の約束

ハツさんがくなったのは、通院が始まってから8だった。

葬儀には、正夫と私も参列した。

真由美さんは、受付のくで何度もをげていた。

「母が本当にお世話になりました」

私は彼女のを握った。

「い、変でしたね」

その頃、さんは仕事で名古へ単赴任していた。

には真由美さんが1で暮らしていた。

ハツさんが使っていたきなも、まだのものだった。

葬儀から1週ほど経った夜、真由美さんが訪ねてきた。

「照子さん、正夫さん。お願いがあるんです」

正夫は座布団をした。

「どうしました?」

真由美さんは膝のでをねた。

「母のために買ったをどうするか、主が戻ってから決めたいんです」

私はうなずいた。

「まだ決められませんよね」

「ええ。だから、それまでもうし置かせてもらえないでしょうか」

正夫は答えた。

「いいですよ」

私も隣でうなずいた。

「急ぐことはありませんから」

真由美さんはほっとした顔をした。

「ありがとうございます」

私はそののことを、はっきり覚えている。

「主が戻るまで」

そう言ったのは、真由美さんだった。

「ずっと使わせてほしい」ではなかった。

さんが定を迎えて帰ってきたのは、2のだ。

私たちは玄関先で挨拶した。

「い、お疲れさまでした」

さんは笑った。

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「やっとでゆっくりできます」

私はその、駐の話がるものだとっていた。

しかし、さんからは何も言われなかった。

半ほど経ったある朝、見らぬいが側のへ止まっていた。

これまでのきなに加えて、2台目だった。

私は正夫へ尋ねた。

「お父さん、あの、誰の?」

正夫は聞を畳んだ。

「さんの娘さんが乗ってきたんじゃないか」

「借りた所を、勝に増やして使っていいのかね」

正夫は窓のを見た。

「戻ってきたばかりだしなあ」

私はため息をついた。

「いつかは話さなきゃ」

「そうだな」

けれど、正夫はそのも隣へかなかった。

私もかなかった。

い付きいがあった。

相に悪くわれたくなかった。

そうやって回しにしているうちに、2台が止まっている景が当たりになった。

今の、正夫は物置ので測量用の巻尺を伸ばしていた。

私は買い物から戻ったところだった。

「何を測ってるの?」

正夫は顔をげた。

「畑の広さだよ」

「畑?」

「になったら、ここに玉ねぎを植えようとってな」

私は笑った。

「今度こそ本当に畑を作るの?」

「退職してもできたからな。しずつやればいい」

正夫は面へい杭を打った。

そこに細い紐を張り、畑のきさを確かめていた。

私は尋ねた。

「それなら、さんに返してもらわなきゃね」

正夫はうなずいた。

「には話すよ」

「今度は、いつまでに返してもらうかも決めてね」

「分かった」

それが、について夫と交わした最の約束になった。

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