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"夫が遺した土地と、隣家の3台の車" 第16話

片づけるのはだけではない

翌週、さんが業者と緒に訪ねてきた。

が止まっていた範囲を確認し、必な作業について説を受けた。

私は、畑にする予定の部分だけ砂利を取り除きたいと伝えた。

担当者は面の状態を見ながら言った。

「ここはくを止めていたので、がかなり締まっていますね」

私はうなずいた。

「畑にするには、難しいですか」

「表面の砂利を取って、を入れ替えるか耕す必があります。ただ、全部を度にやる必はありませんよ」

私はしした。

正夫は、いずれ自分でを入れるつもりだったのだろう。

物置には、まだ使っていない園芸用のスコップがあった。

さんは、業者の説を聞きながらメモを取っていた。

「うちのが原因で傷んだ部分は、こちらで直したいとっています」

私は答えた。

「ありがとうございます。ただ、畑にするためのづくりは私の都ですから、その分は自分で負担します」

さんはし驚いた顔をした。

「そこまで気を遣わなくても」

私は首を振った。

「そこは分けておきたいんです」

彼はゆっくりうなずいた。

「分かりました」

私たちは、によるい轍の補修と砂利の理をの負担とし、そのの畑づくりは私がうことを確認した。

必な作業範囲と費用は、見積へ記してもらった。

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さなことにえるかもしれない。

けれど私は、こうして1つずつ決めることが切なのだとった。

昔は「お互い様だから」と何でも曖昧にしていた。

それがく続いた結果、相はどこまで許されているのか分からなくなった。

私たちも、どこから困っているのか伝えられなくなっていた。

親切と約束を混同しない。

これからは、そうしようとった。

作業の、私は物置のを理した。

正夫の具箱を棚からろし、1つずつ埃を払った。

使わない釘。

折れた鉛。

古い図面。

何もの材の端切れ。

捨てられるものもあった。

けれど、捨てられないものもかった。

私はさな箱を見つけた。

蓋には、正夫の字で「庭用」とかれていた。

には、私が以から探していた器棚の取っが入っていた。

ある、台所の引きしの取っが壊れた、正夫が言っていた。

「同じもの、どこかにしまってあるはずなんだけどな」

結局見つからず、別の取っに交換したのだった。

私は箱を持ったまま笑ってしまった。

「ここにあったんだねえ」

いすと、正夫の声が聞こえてくるようだった。

私は箱を棚へ戻した。

そのの夕方、庭にはの匂いが漂っていた。

くに踏まれていた面が、しずつ元の姿に戻っていく。

私は子へ座り、作業を見守った。

すべてが終わる頃、さんが来た。

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「川さん、これでよろしいでしょうか」

私はを見た。

轍はならされ、砂利も理されている。

物置までの通は、きれいに空いていた。

「はい。ありがとうございました」

さんはくをげた。

「今まで本当に申し訳ありませんでした」

私はをげ返した。

「もう丈夫です」

さんはし迷った、言った。

「母の通院の、正夫さんにはずいぶん助けていただきました」

私はうなずいた。

「ええ」

「それなのに、そののことをきちんとしなかった。私も、妻任せにしていました」

私は黙って聞いた。

さんは続けた。

「定で帰ってきたに、私が話しておけばよかったんです」

私は静かに答えた。

「今、きちんと終わらせられてよかったです」

彼はうなずいた。

そして、最にこう言った。

「正夫さんがいたら、きっと『これでいいんだよ』って笑ったでしょうね」

私はし目を潤ませた。

「そうかもしれませんね」

さんが帰った、私は物置の扉を閉めた。

鍵をかけ、空きを見渡した。

20というはかった。

でも、そのの親切まで違いだったとはいたくない。

正夫は、困っているを助けた。

それは確かなことだ。

ただ、そのの約束は、いつか終わらせなければならなかった。

私はその役目を、ようやく果たせたのだった。

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