みかん小説
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"月5000円を貯めて泊まった旅館で、妻が「お嬢様」と呼ばれた" 第2話

これが俺のささやかな楽しみだった。

俺は通帐の表纸を见つめる。

そこにはマジックできく「旅」と书いてある。

これはゆいが6歳の时に书いた字だ。

俺は当时のゆいの姿をいす。

ゆいは议そうに俺の元を覗き込んでいた。

「これ、何の通帐?」

俺はゆいの顔を见て优しく微笑んだ。

「族で旅にくためのおだよ」

ゆいは目を辉かせた。

「じゃあ、名を书いといてあげる」

ゆいはそう言ってペンを握った。

ゆいはまだ覚えたばかりのひらがなで、表纸のいところに4文字を书いた。

「り」の字がしきくて、「こ」の字がし倾いている。

俺はその文字を爱おしく见つめた。

その、通帐は1度いっぱいになり、2册目に缲り越した。

俺はしい通帐をゆいのに置いた。

ゆいはもう1度、同じように「旅」と书いてくれた。

2册目の字は、1册目よりずっと真っすぐだった。

俺はうっかり入を忘れそうになったもある。

そういう时は、夜に布団に入ってからいす。

俺は慌てて起きがり、着を着る。

そしてくのコンビニまで歩いていった。

コンビニの机械でも入はできるのだ。

俺はそうやって、结婚したから数えて60回目の给料を迎えた。

旅にかけたあのの10のことである。

俺は给料に入れた5000円で、座の残を确认した。

ちょうど30万円になっていた。

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ある给料の晩、俺はコンビニから帰宅した。

彩佳が台所から俺の顔を见て、笑いながら问いかけた。

「またってきたの?」

俺はし照れくさそうに颔いた。

「いつか3でいっきり旅したいからな」

彩佳はさく颔いた。

そして台所でお茶を淹れてくれた。

俺はその5000円をすために、会社の饮み会をほとんど断ってきた。

昼ご饭は、彩佳の作ってくれる弁当である。

俺は弁当箱の盖を开ける。

には卵焼きと、の晩のおかずの残りが诘まっている。

そして苔を巻いたおにぎりが2つ入っている。

俺はトラックの运転席でそれをべる。

片でべられるように、彩佳が夫してくれているのだ。

俺は仓库の休憩所で弁当を広げる。

先辈の坂さんが、よく俺の隣に座る。

坂さんは56歳である。

この会社に30いるベテランで、は悪いが面倒见のいいだ。

俺が入社した顷、トラックへの积み方を1から教えてくれたのも坂さんだった。

坂さんは俺の弁当箱をちらりと见た。

「は今も爱妻弁当か」

俺は箸を止めて坂さんを见た。

「はい」

坂さんは缶コーヒーの盖を开けた。

「おかげ様で旅の贮も続いてるのか?」

俺は誇らしげに颔いた。

「続いてます。このでちょうど5になります」

坂さんはしたように息を吐いた。

「したもんだ。俺にはできなかったなあ」

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坂さんは缶コーヒーを饮みながら、远くの景を见た。

坂さんが20に离婚したことは、会社の谁もがなんとなくっていた。

别れた息子さんとずっと会っていないこともられている。

けれど、本がその话をすることは决してなかった。

俺は同僚たちの姿をい浮かべる。

同僚のには、毎コンビニで弁当とコーヒーを买うもいる。

俺はそれが悪いとはわない。

ただ、俺には彩佳の弁当があった。

俺はそれで分にりていた。

彩佳ものことで、无理のない範囲で々と夫してくれていた。

彼女はスーパーのチラシを见比べる。

そしていにまとめ买いをする。

ゆいのは、所のからもらったおがりだ。

彩佳はそれを绮丽に直してゆいに着せる。

それでも、ゆいの诞だけは特别だった。

俺たちはケーキでさなホールケーキを买う。

それは俺たち2で决めたことだった。

彩佳は俺の毎の5000円について、1度も文句を言わなかった。

「もうやめたら」と言われたこともない。

むしろ给料がづくと、彼女は俺に声をかけてくれた。

「今も入れてきてね」

俺がどうして旅にこだわるのか、彩佳はっていたからだ。

俺は子供の顷、族で旅にったことが1度もない。

俺の父はしげるという名だった。

长距离トラックの运転をしていた。

父は1度仕事にると、2も3もに帰ってこなかった。

帰ってきても、昼间は疲れてほとんど寝ていた。

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