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"月5000円を貯めて泊まった旅館で、妻が「お嬢様」と呼ばれた" 第13話

旅にかけるのの暮れに、彩佳が话していた「広い」のことがふと头に浮かんだ。

ゆいは目を辉かせた。

「旅馆!テレビで见たみたいなところ?」

彩佳はし微笑んだ。

「そうね。ちょっと似てるかな」

ゆいは座卓からを乗りした。

「ってみたい!お父さんと3でけないかな?おじいちゃんとおばあちゃんにも会ってみたい」

その言叶に、彩佳は黙って考え込んだ。

肉じゃがの汤気の向こうで、彩佳はしばらく自分の茶碗を见つめていた。

ゆいはそれ以ねだらなかった。

母亲の顔を见て、何かをじたのかもしれない。

ゆいは代わりに言った。

「肉じゃがおかわり」

その夜、ゆいが眠ったのことだ。

彩佳が俺の向かいに座った。

彩佳は膝ので両をね、背筋を伸ばしていた。

何か事な话をする时の座り方だった。

彩佳が声をかけた。

「ねえ、かずやさん」

俺は顔をげた。

「ん?」

彩佳は真っ直ぐに俺を见た。

「今の结婚记は、旅にきたい」

俺はわず闻き返した。

「旅?」

彩佳は颔いた。

「うん。かずやさんとゆいと3で、族で旅にきたい。结婚して5だもの。そろそろいいでしょ」

俺は嬉しくなって笑った。

「本当か?ちょうど俺も考えてたんだ」

俺はちがり、机の引きしから通帐を持ってきた。

「今の给料で、座がちょうど30万円になったところなんだよ」

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彩佳は微笑んだ。

「ってる。かずやさん、给料の晩ずっとニコニコしてたもの」

彩佳は笑ってから、言いにくそうに続けた。

「それでね、き先は私が予约してもいい?」

俺は惊いて寻ねた。

「彩佳が?」

彩佳は颔いた。

「うん。きたいところがあるの。私に任せて欲しい」

彩佳の方からきたいところがあるというのは珍しいことだった。

俺に异はなかった。

どこへくかより、3でけることの方が事だった。

俺は笑顔で答えた。

「いいよ。彩佳に任せる」

彩佳はく息を吐いた。

「ありがとう」

彩佳はほっとしたように见えた。

けれど、その顔はんでいるというより、何かを决めたの顔に见えた。

翌の曜の夜のことだ。

俺は机の引きしから2册の通帐をしてきた。

「旅」と书かれた古い通帐と、今の通帐だ。

それから、ゆいの旅贮の缶と、父のパンフレットの入った封筒もした。

俺は座卓のにそれを並べた。

ゆいと彩佳が両侧から覗き込んだ。

俺は得げに言った。

「これが俺たちの旅のおだ」

俺は今の通帐を开いて最のページを见せた。

1番のに「残 300,000」と印字されていた。

そのには「入 5000」という同じがずらりと並んでいた。

のページにも、そののページにも。

俺は古い通帐の方を开いた。

1ページ目の最初のから、また同じが続いていた。

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ゆいが指を差した。

「同じのばっかり」

俺は颔いた。

「そうだよ。5000円ずつ60回入れたんだ。结婚してから1ヶも休まずにな」

ゆいは指でを辿りながら数え始めた。

「1、2、3……」

途で分からなくなって、また最初から数え直した。

彩佳は何も言わずに、古い通帐の表纸を抚でていた。

ゆいが6歳の时に书いた「旅」の字を、指先でなぞっていた。

俺は彩佳を见た。

「彩佳、旅代は俺の贮からすよ」

彩佳は顔をげた。

「全部、かずやさんのおで?」

俺は强く颔いた。

「そのために贮めてきたんだ。彩佳のパート代にはをつけない。これは最初から决めてたことだから」

彩佳は通帐を见つめた。

「本当に全部贮めてくれてたんだね」

彩佳の声が震えた。

毎入れていることはっていても、こうして60が並んでいるのを见るのは初めてだったのだとう。

彩佳は涙をこらえながら言った。

「车検の时も、当が减った时も、ここにはをつけなかったんだね」

俺は静かに答えた。

「いつか3で旅するって决めてたからな」

彩佳はを押さえた。

「ありがとう。本当にありがとう」

彩佳の目から涙がこぼれた。

ゆいがびっくりして母亲の顔を覗き込んだ。

「お母さん、どうしたの?しいの?」

彩佳は首を振って笑顔を作った。

「ううん、嬉しいの。嬉しくても涙はるのよ」

ゆいはしばらく考えてから、自分の缶を持ちげた。

そして缶を振った。

で10円玉がジャラジャラと鸣った。

ゆいは俺に缶を差しした。

「ゆいのも使っていいよ。1240円あるよ」

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