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"月5000円を貯めて泊まった旅館で、妻が「お嬢様」と呼ばれた" 第15話

残っているのは、赤い温泉のマークだけになった。

旅の当は、朝からよくれていた。

俺たちは朝の9时にをた。

軽ワゴンのタイヤは、の週に用のものに替えておいた。

11の终わりののは、がってもおかしくない。

ろの席で、ゆいは朝から騒ぎだった。

「お父さん、温泉あるかな?」

俺は运転しながら答えた。

「あるといいな」

ゆいがさらに闻く。

「风吕もある?」

俺はバックミラー越しに笑った。

「どうだろうな。お母さんに闻いてごらん」

ゆいは満そうに言った。

「お母さんは『着いてからのお楽しみ』しか言わないんだもん」

助席の彩佳は笑っていた。

けれど、そのはずっと膝ののハンドバッグを握っていた。

俺の着の胸ポケットには、父と母と俺の3の写真が入っていた。

ゆいに言われた通り、持ってきたのだ。

速を2时间り、途のサービスエリアで休憩をした。

ゆいはソフトクリームをべた。

彩佳はトイレにったきり、なかなか戻ってこなかった。

戻ってきた彩佳の顔は青かった。

俺は配になって顔を覗き込んだ。

「丈夫か?车に酔ったか?」

彩佳は无理に笑顔を作った。

「うん、丈夫。ちょっと紧张してるだけ。族旅なんて本当に久しぶりだから」

彩佳はそう言って笑った。

俺はそれ以は闻かなかった。

速をさらに1时间り、昼过ぎに速をりた。

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そこからは间へ入っていった。

川沿いの细いをゆっくりと登っていく。

红叶の盛りは过ぎていた。

しかし、の々にはまだ赤や黄の叶が残っていた。

途のの駅で、遅めの昼ご饭をべた。

そこから先は、彩佳がを教えてくれた。

カーナビを见なくても、彩佳は曲がる场所を全部っていた。

俺はハンドルを切りながら闻いた。

「彩佳、この辺りに来たことがあるのか?」

彩佳はを见たまま答えた。

「うん。昔ね」

をてから6时间くが経っていた。

午の3时し、间の温泉に入った。

川の両侧に古い旅馆が並び、汤気がくちっていた。

町の1番奥まで进む。

派な门が见えてきた。

太いの柱に黒い瓦根。

门の脇のきなの板には、こう书かれていた。

「老舗旅馆 かげつろう」

俺はわずブレーキを踏んだ。

板の名に覚えはなかった。

けれど、その门には见覚えがあった。

俺は助席の彩佳を见た。

「彩佳、ここってテレビでも绍介されてる旅馆じゃないか?」

ろの席でゆいが叫んだ。

「テレビの旅馆だ!ゆいが泊まりたいって言ったところだ!」

间违いなかった。

2のの夜、ゆいがテレビのでかじりついて见ていたあの旅馆だった。

きなの门も、门の奥に见える红叶の庭も、画面で见た通りだった。

俺はハンドルを握ったまま、彩佳の方を向いた。

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「こんな派なところ、俺たちが泊まっていいのか?」

テレビでは确か、创业150を超える老舗だと言っていた。

俺たちのような族が泊まれる宿ではない。

そうった。

彩佳はさく笑った。

「丈夫。ちゃんと予约してあるから」

けれど、その表には紧张も浮かんでいた。

唇のがいつもよりかった。

车は门をくぐって、车寄せに止まった。

玄関の格子戸が开いた。

から浓い绀の着物を着た配の男性がてきた。

髪交じりの髪をきちんとえた、背筋の真っすぐなだった。

そのは车からりた彩佳を见るなり、を止めた。

そして目に涙を浮かべながら、く头をげた。

「お嬢様、お帰りなさいませ」

长い沈黙があった。

そのは腰を折ったまま、しばらく动かなかった。

肩が微かに震えていた。

俺は惊いて、そのと彩佳を交互に见た。

「え?」

玄関の奥から、着物の居さんたちが次々に顔をした。

配の居さんの1が、彩佳を见るなりを押さえた。

「お嬢様、本当にお帰りになったんですね」

居さんはりに彩佳のところへ来た。

そして彩佳のを握った。

ゆいも目を丸くしていた。

ゆいは彩佳を见げた。

「お母さん、りいなの?」

彩佳は居さんのをそっと解いた。

そして俺に向き直った。

「かずやさん、ごめんなさい」

彩佳の目にはもう涙が溜まっていた。

「ずっと话せていなかったことがあるの」

彩佳は俺の目を真っ直ぐに见た。

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