物語は、一条天皇が藤壺のまひろを訪れ、彼女の著作『源氏物語』について語るシーンから始まります。一条天皇は、夕顔の咲く家に住む女性が生霊に憑かれて命を落とすシーンに触れ、この女性を恐ろしい存在だと表現します。しかし、まひろはその女性の心情が理解できると告白します。この発言が、視聴者にとっても非常に興味深いものとなり、今後の物語の伏線として重要な位置を占めることとなります。
物語の中心人物である光源氏は、愛人である六条御息所のもとへ通う途中、夕顔の咲く家に住む女性・夕顔と出会います。高貴で気位の高い六条御息所に疲れ果てていた光源氏は、素直で可憐な夕顔に強く惹かれるようになります。
『源氏物語』のこの場面では、夕顔に取り憑いた物の怪の正体は明らかにされていませんが、光源氏を責める霊の言葉から、これは六条御息所の嫉妬心が生み出した生霊だと推測されます。彼女は、年下の光源氏が自分から離れていくことに深い苦悩を抱えており、その嫉妬が夕顔の命を奪う恐ろしい力となって現れたのです。
六条御息所は、光源氏の父である桐壺帝の弟に仕えていた未亡人で、美しさ、教養、そして高い位を誇る女性でした。光源氏よりも7歳年上で、彼女は光源氏と深い愛人関係を築いていました。しかし、光源氏が彼女に興味を失い、冷たく扱うようになると、六条御息所の心は激しい苦しみに苛まれます。
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