その日の夕方、私は新幹線の自由席に座り、家へ帰る途中でした。普段は指定席を取るのですが、どうしてもその日は指定が取れなかったため、自由席を利用することにしました。なんとか車両の一番前の席を確保できた私は、事前に買ったお弁当を食べながら、携帯を充電していました。
しばらくの間、静かな車内で快適な時間を過ごしていたのですが、突然、見知らぬ女性が子どもを連れて現れました。その女性、通称「セコママ」は、私と通路側に座っていた海外旅行帰りの女性に向かって、驚くべき要求をし始めたのです。

「あなたたち若いんだから代わりなさいよ!」とセコママが言い放ちました。私は一瞬、何が起こったのか理解できず、隣の女性も驚いた様子でした。私たちは当然、その要求を拒否しました。しかし、セコママはあきらめるどころか、さらに激しい口調でこう続けました。
「こっちは子どもを抱えて大変なんだ!その荷物がなければ子ども一人ぐらい座らせられるだろう?この新幹線じゃなきゃいけない理由もないんだから、降りろ!」と。彼女はまるで自分の言い分が当然かのように、私たちに圧力をかけてきました。
さらに、「1時間は我慢するから、その後かわってぇーん」と言い始める始末。まるで私たちが彼女に席を譲るのが当然であるかのような態度で、何度も何度も要求してきました。気分が悪くなり、私も隣の女性も困惑しながら黙ってしまいました。
その状況を見かねたのか、周りの乗客たちも徐々に騒ぎに気づき始めました。立っていた他の乗客たちがセコママの非常識さに怒り、次々と声を上げました。
「この時間なんだから、座れないことぐらいわかるだろ!」「座りたかったら、1本見送ればいいじゃないか!」
彼らはセコママに対してお説教を始めました。怒りをぶつける乗客たちの言葉に、セコママも次第に居心地が悪くなったのか、何も言い返すことができなくなりました。

その後、セコママはしぶしぶ次の停車駅、品川で降りて行きました。彼女が降りていく姿を見た周囲の乗客たちは、安堵の表情を浮かべ、車内の雰囲気も少し落ち着きました。
「東京駅からだったら、1本待てば座れるのに…」と、私は思わず呟きました。そもそも、この時期に指定席を取るのは少し難しいかもしれませんが、金券ショップを利用すれば、そこまで高くないはずです。
どうしてそんな簡単な選択肢を取らなかったのか、疑問に感じました。
後になって考えてみると、彼女のような「セコママ」は、どうしてそんなに厚かましく、人前で恥ずかしげもなく無理な要求をするのでしょうか。結局は、「自分が楽をしたい」という考えが根底にあるのでしょう。まともに手間をかけて準備をすることすら嫌がり、他人に負担を押し付ける。そんな人々が「セコ」と呼ばれる理由がよくわかります。
さらに彼女は、「子どもがかわいそうだと思わないの?」という魔法の言葉を信じているかのようでした。子どもを理由にすれば、すべての行為が正当化されるとでも思っていたのでしょう。しかし、それが他人には通じないことを、この出来事で学んだかもしれません。

この一件を通じて、私は「セコママ」の厚かましさに驚かされると同時に、他の乗客たちの協力的な姿勢に感謝の気持ちを抱きました。
非常識な要求を突きつけられた時、周囲の人々の協力によって問題が解決したことは、非常に心強いものでした。
自由席でのトラブルは誰にでも起こりうることですが、冷静に対処し、他の乗客たちとのコミュニケーションを大切にすることが重要だと改めて感じました。
また、これからも自由席を利用する際は、周りの状況に気を配り、トラブルが起こった場合には周囲の助けを借りることも考えておくべきだと思います。