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"月5000円を貯めて泊まった旅館で、妻が「お嬢様」と呼ばれた" 第27話

松冈さんは1万円札を1枚1枚丁宁に数えた。

お钓りの4000円と绪に、领収书を渡してくれた。

宛名には「かずや様」と书いてあった。

松冈さんはくお辞仪をした。

「确かに顶戴いたしました。ご利用诚にありがとうございました」

封筒のには、帰りの速代とガソリン代の分が残った。

贮は减った。

けれど悔はなかった。

その时、廊の奥から正尾さんがかよさんと並んで歩いてきた。

绀の羽织をきちんと着て、背筋を伸ばしていた。

正尾さんが咳払いをした。

「かずやさん」

俺は振り返った。

「はい」

正尾さんは俺のでち止まった。

そして々と头をげた。

旅馆の当主が、帐场のでお客にお辞仪をしているのだ。

居さんたちが惊いてを止めた。

正尾さんは头をげたまま言った。

「彩佳とゆいを切にしてくれて、ありがとう。これからもどうかよろしくお願いします」

俺も慌てて、同じくらいく腰を折った。

「こちらこそ。これからも族3で顽张ります」

玄関をる时、かよさんはゆいのをなかなか离さなかった。

松冈さんが格子戸ので静かにお辞仪をした。

「ってらっしゃいませ」

6余り、言えなかったと话していた言叶だった。

彩佳は瞬ち止まった。

それから松冈さんに向かって、笑顔で答えた。

「ってきます」

帰りの车ので、ゆいはすぐに眠ってしまった。

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旅贮の缶を、しっかり胸に抱えたままだった。

助席の彩佳は、窓ののをずっと见ていた。

彩佳が俺を见た。

「かずやさん、また来てもいい?」

俺は运転しながら笑った。

「当たりだろう。次はもっとく来ような。また5000円ずつ贮めるから」

彩佳は笑って、俺のに自分のをねた。

それから半が経った。

5の连休がけた曜。

俺たちはまた、かげつろうの门をくぐった。

今度は彩佳の両亲からの招待だった。

3の终わりに、正尾さんから纸が届いたのだ。

太い万笔の字で、くこう书いてあった。

「緑の顷に族3でいらっしゃい。今度は招待です。宿代は受け取りません」

俺はその纸を、旅の座の通帐と绪に机の引きしにしまった。

车寄せに车を止める。

玄関の格子戸が开いた。

松冈さんが迎えてくれた。

「お嬢様、お帰りなさいませ」

半と同じ言叶だった。

けれど今度は、松冈さんの目に涙はなかった。

穏やかに笑っていた。

彩佳は笑顔で答えた。

「ただいま、松冈さん」

すると玄関の奥から、正尾さんが姿を现した。

かよさんと並んで、玄関のがりにっていた。

旅馆の当主が自分で玄関までてくることは灭にないのだと、で松冈さんが教えてくれた。

正尾さんは俺の方を向いた。

そして穏やかに言った。

「かずやさんも、お帰りなさい」

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俺は惊いた。

「俺もですか?」

正尾さんは笑った。

半の座敷では1度も见せなかった顔だった。

「当たりだろう。君も私たちの族なんだから」

その瞬间、俺は胸が热くなった。

「お帰りなさい」

アパートの玄関で、ゆいに初めて「お父さん」と呼ばれたのことをいした。

「お父さん、お帰り」

あのから、俺には帰るができた。

そして今、もう1つ帰るができたのだ。

彩佳は元をで覆っていた。

ゆいが正尾さんに駆け寄っていった。

「おじいちゃん、また3で来たよ!」

正尾さんはしゃがみ込んだ。

ゆいを両腕で抱きしめた。

ゆいの背には、あの旅贮の缶の入ったリュックが揺れていた。

かよさんがその様子を见て、着物の袖で目元を押さえていた。

俺は隣の彩佳のを握った。

彩佳が涙ぐみながら言った。

「かずやさん、ありがとう」

俺は彩佳を见た。

「何が?」

彩佳は微笑んだ。

「私とゆいを、ずっと切にしてくれて」

俺は首を振った。

「俺の方こそ、2がいてくれて幸せだよ」

旅ののの暮れ、财布から写真が滑りした晩にも、俺は同じことを言った。

言っても言いりない言叶だった。

最に、それからのことをしだけ话しておきたい。

旅の座は今も続いている。

给料の25には、仕事帰りに银に寄って5000円を入れる。

通帐の表纸の「旅」の横には、ゆいがしく「」

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と书きした。

学5になったゆいの字は、もうすっかり真っすぐだった。

かげつろうにく时の宿代は受け取らないと、正尾さんは言う。

だからこの座は、次はへくために使うことにしている。

ゆいがそう决めたのだ。

松冈さんの息子さんは、がけた正に10ぶりにかげつろうへ帰ってきたという。

松冈さんは玄関で「お帰りなさいませ」と言ったそうだ。

息子さんがなんと答えたのか、松冈さんは笑って教えてくれなかった。

坂さんには、旅から帰ってすぐにかげつろうの话をした。

坂さんは黙って闻いていた。

旅のの暮れ、别れた息子さんに纸を书いたと教えてくれた。

返事はまだ来ていない。

それでも坂さんは、よりよく笑うようになった。

取り23万円、毎5000円の贮。

5间のさな。

それは谁かに自できるほどのものではないかもしれない。

けれど俺にとっては、族を切にしてきた証だった。

そしてその5间は、族の忘れられないいになった。

父のパンフレットは今も、通帐と绪に引きしに入っている。

そのパンフレットの间に、写真がもう1枚加わった。

かげつろうの玄関ので、正尾さんとかよさんと松冈さんと绪に、俺たち3が並んで撮った写真だ。

ゆいは真んで両でピースをしている。

俺の顔は、もう强张っていなかった。

 

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