「悪魔のKISS」は、1993年7月7日から9月22日まで、フジテレビ系列で夜9時に放送されていました。このドラマは、華やかなバブル時代の裏側に潜む「闇」を描いた作品です。三人の若い女性たちが、それぞれ夢を追いかけて上京するも、政治、宗教、そして借金地獄に落ちていく様子がリアルに描かれています。バブル経済の絶頂期、世間の浮かれた雰囲気をよそに、このドラマは視聴者に強烈なインパクトを与えました。

主題歌はサザンオールスターズの「エロティカ・セブン」で、これも話題になりましたね。「悪魔のような誘惑が20歳の夢を狂わせる」というキャッチコピーの通り、物語は欲望と破滅の連鎖を描いていきます。
このドラマが「再放送できない」と言われる最大の理由は、過激なシーンの数々です。脱衣シーンやリアルすぎる暴力描写、LGBTをテーマにしたシーン、さらには宗教や薬物問題まで、当時でもかなりショッキングな内容でした。現代のコンプライアンス基準では到底放送できないと言われています。
では、具体的にどのような問題シーンがあるのか、物語を追いながら見ていきましょう。

まず登場するのは操(奥山佳恵さん)。彼女は純粋で夢を追いかける絵本作家志望の女性です。そんな彼女が憧れるのは、絵本作家の「霧先生」(黒田福美さん)。ところが、実はこの霧先生、操に対して性的な興味を抱いており、彼女を利用しようと企んでいます。操は先生からキスされ、ベッドに押し倒されるシーンがあり、この部分が非常にセンシティブでリアルに描かれており、再放送の障害となっています。

しかも、嫉妬した先輩アシスタントからは嫌がらせを受け、精神的にも追い詰められていきます。ついには先生の家で昏睡状態に陥らされ、襲われるというシーンが…このような強烈な内容が、お蔵入りの一因となっています。
次に紹介するのは幸子(深津絵里さん)。彼女は出版社に勤める地味なOLですが、同僚の男性に恋心を抱き、彼の勧めで怪しい宗教に入信してしまいます。この宗教地獄に足を踏み入れることで、彼女の人生は狂い始めます。
さらに、幸子は母親の恋人である「加藤」(寺脇康文さん)にレイプされてしまうという、これまたリアルで過激なシーンがあります。このシーンも非常にショッキングで、現在の基準では問題視される要因の一つです。宗教に傾倒し、レイプ被害を受け、そして嫉妬に狂う彼女の姿は、見る者に強い衝撃を与えました。

最後に登場するのは、真理子(常盤貴子さん)。彼女は派手な生活に憧れる女子大生で、サラ金に手を出して借金地獄に陥ります。
ここから彼女の転落人生が始まり、ついには風俗業にまで手を出すことになります。
この風俗のシーンで、真理子は下着姿での描写が多く、さらに常連客となるのが先に登場した加藤。このリアルすぎる性描写や風俗のシーンもまた、お蔵入りとなる理由の一つです。さらには、覚せい剤を使ってしまうシーンもあり、これらの内容が再放送を阻む大きな障壁となっています。